[ブリュッセル 11日 ロイター] - 米アマゾン<AMZN.O>が、自社サイト上で運営している他の小売業者の取引データを不正利用した疑いがあるとして、数週間以内に欧州連合(EU)競争法(独禁法)違反の疑いで法的手続きの対象となる可能性があることが11日、分かった。関係者が明らかにした。違法と認定されれば、アマゾンには巨額の制裁金が科される恐れがある。

小売業者にとって、アマゾンはサイトの運営者であると同時に、競争関係にもある。こうしたアマゾンの二重の役割をめぐり、EUの欧州委員会は、一部事業者からの苦情申し立てを受けて昨年7月以降、調査を実施してきた。

アマゾンのサイトでは、顧客は特定の小売業者から購入しようとする商品を直接ショッピングカートに入れることができる。カートに入れる商品を選ぶ際の競争上重要なデータを、アマゾンがどのように利用しているかについても、調査の焦点になっている。

関係者によると、欧州委はアマゾンに対し、EU競争法違反の疑いで近く異議告知書を送付する可能性がある。

欧州委、アマゾンはいずれもコメントに応じなかった。

アマゾンは異議告知書を受け取った後、書面で回答する必要がある。非公開の聴聞会の開催を要求することもできる。欧州委が違反を認定すれば、同社には世界売上高の最大10%の制裁金が科される恐れがある

アマゾンは過去にも欧州委の調査を受けたことがある。3年前には、違法な税制優遇を受けたとして、ルクセンブルクに約2億5000万ユーロの税金を追加で納付するよう言い渡された経緯がある。