【ドキュメント】コロナに勝った唯一の舞台『オペラ座の怪人』

2020/6/12

大規模公演の継続を敢行

ミュージカル『オペラ座の怪人』は、ブロードウェイで史上最長のロングランを達成するなど、長年にわたってさまざまな記録を打ち立ててきた。
そこに最近、新たな、しかも意外なタイトルが追加された。「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)時代の新たな道を切り開いたミュージカル」だ。
新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、世界中の劇場が突然閉鎖となり、再開の見通しも立っていない中で、『オペラ座の怪人』ワールドツアーの韓国・ソウル公演は粘り続けており、週8回の公演を行っている。
4月に複数の脇役メンバーの感染が発覚して3週間の公演中止を余儀なくされた後も、座席数1600の劇場には十分な数の観客が訪れている。
126人のカンパニーで、衣裳や小道具が何百点にも上る『オペラ座の怪人』は、英語での大規模公演としては世界で唯一、今も公演が行われている作品とみられる。
それも、ソーシャル・ディスタンシングの徹底が呼びかけられている中で(劇場内で実践するのは、運営面や財政面の理由から、事実上不可能だという声がもっぱらだ)、厳格な衛生管理に取り組みつつ、公演を続けているのだ。
(Woohae Cho/The New York Times)

「打てる手は打つべき」

同作品の作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーは、このやり方を世界中のステージ業界に示したいと考えている。