[ブリュッセル 9日 ロイター] - 欧州委員会のフィル・ホーガン委員(通商担当)は9日、世界貿易機関(WTO)次期事務局長選に立候補することを検討していると明らかにした。また、欧州連合(EU)加盟国は統一候補を擁立するかどうかを巡り協議している。

WTOは前日、8月末に退任するアゼベド事務局長の後任選出手続きを開始。アゼベド氏は先月、来年8月末の任期満了を待たず8月で辞任すると表明。次期トップの選定は通常9カ月のプロセスだが、今回は3カ月で行われる。

ホーガン委員は「WTO次期事務局長候補となる選択肢を模索している」と表明。「WTOを改革し効率性を高めると同時に、新型コロナウイルス感染症を発端とする国際社会を悩ます多くの貿易問題に対処する重要な仕事が山積している」との認識を示した。

WTO次期事務局長ポストを巡り、しばらく前に米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と協議し、次期事務局長は先進国出身者であるべきとの認識で一致したことも明らかにした。

また、今月末までEU議長国を務めるクロアチアのグルリッチ・ラドマン外相は、EU諸国が今後1カ月でEUとしての統一候補を擁立するかどうかを巡り討議すると見通した。

一方、オランダのカーフ貿易相は、オランダのほか複数のEU加盟国が域外からの候補者を支持する可能性も排除すべきでないとの認識を示していることを明らかにした。