[ニューヨーク/ミラノ 9日 ロイター] - 米宝飾品大手ティファニー<TIF.N>が9日発表した第1・四半期(2─4月)決算は44%の減収となった。さらに、新型コロナウイルス流行の影響を踏まえ債務契約の一部を修正し、財政上の余裕を確保したことを明らかにした。

純売上高は5億5550万ドル。新型コロナ流行で宝飾品への需要が減退したほか、ウイルス感染防止策に伴う世界での店舗閉鎖が響き、既存店売上高(為替の影響除く)も大きく落ち込んだ。

しかし、主要市場の中国での売り上げは回復の軌道に乗り始めたと指摘した。

損益は6460万ドルの赤字。前年同期の1億2520万ドルの黒字から赤字に転落した。

債務契約の修正によってレバレッジ比率の上限を3.5%から4.5%に引き上げた。これにより、債務不履行リスクは低減する。一部アナリストは、ティファニーが第2・四半期に債務契約の不履行に陥る可能性があると指摘していた。

また、第1・四半期に信用枠から5億ドルを引き出したことを明らかにし、現時点で手元資金は十分との認識を示した。

株価は午前の取引で約2%上昇した

ティファニーは昨年、高級ブランド世界最大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン<LVMH.PA>による約160億ドルの買収計画に合意。関係筋は先週、LVMHのアルノー最高経営責任者(CEO)が買収額の引き下げに向け再交渉を検討していると明らかにしたが、再交渉の申し出はその後見送られたという。

ティファニーのボリオーロCEOは「ティファニーの最盛期が今後も控えていると確信しており、今後LVMHと歩んでいくことを楽しみにしている」と述べた。