[パリ 9日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)は9日、2020年の航空業界の損失額は過去最大の843億ドルに達するとの予測を発表した。新型コロナウイルス危機が主な要因で、今年は「航空史上最悪の年」になるとした。

世界中で運航便の大半が停止しているため、航空業界の売上高は昨年の8380億ドルから4190億ドルと半減する見通し。

IATAのジュニアック事務総長は、「航空業界の損失は1日当たり2億3000万ドルずつ膨らむ」と指摘。乗客1人当たりの損失は平均で約38ドルになるとした。

21年には158億ドルの損失が見込まれており、新型コロナ危機に起因する損失は20年と21年の合計で約1000億ドルに達する見込み。輸送量が危機前の水準をはるかに下回っているほか、運賃引き下げが響くという。

ジュニアック氏は「20年は財政的に航空史上最悪の年になるだろう」とした上で、「21年も財政的に脆弱な状態が続く。競争がより一層激化するだろう」と語った。

21年の売上高は5980億ドルに回復すると想定。乗客数は今年22億5000万人に減少した後、21年には33億8000万人に増加する見込みとした。それでも、19年の水準を25%超下回るという。

イールド(旅客1人の1キロまたマイル当たり収入単価)は今年18%低下する見込み。これにより旅客収入は2410億ドル減少する。

一方、貨物収入は1110億ドルと過去最高に接近する見通し。大規模な運行停止に伴い30%を超える運送料の上昇が想定されるという。

またIATAは各国政府に航空需要の打撃となる隔離措置を控えるよう要請。フェイスマスクの着用義務付けなど機内の安全対策が適切であり、「これらの措置によって隔離措置なしの国境開放に向けた信頼を各国政府に与えることができる」(ジュニアック事務総長)とした。

*第4段落の約1000億ドルの損失が2020年と21年の合計であることを明確にして再送します。