銀行の収益源増加へ 出資の規制緩和を検討 金融庁
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既に2016年の銀行法改正で出資に係る規制緩和の枠組みは整えられていて、「銀行業高度化等会社」として認められれば、持ち分の制限がなくなります。また、どのような会社が高度化等会社にみなされるかは、監督指針改正で具体的に述べるようになりました。すでに、地域商社が続々と立ち上がっています。
では、何がさらに緩和されるかというと、「認可」から「届出」にするもので、これは銀行としてはかなりの恩恵となるでしょう。預金者保護の観点や優越的地位の乱用などを目的として5%ルールは存置されてきました。現在、日本の銀行は資本も相応に厚い一方で収益源の確保に悩んでいて規制を見直す良いタイミングだと思います。
一社当たりの出資規制緩和はやれば良いと思いますが銀行の健全性を考えるのであればポートフォリオ全体に占める出資の割合などの規制は引き続き必要かもしれません。
ノウハウについてはフィンテックなどの金融分野については銀行でもやっているので問題ないでしょうがその他の事業リスクについてはノウハウのある人材を確保することも必要です。規制の緩和には賛成ですが体制作りには時間と労力がかかると思います。融資も出資も両方銀行で経験しましたが、銀行はいきなり総合商社の様にはなれません(ちょうどNPで商社特集もやっていましたが人を育てるのは大変です)。
後は出資を業務としている銀行の関連会社はありますが、銀行本体で直接出資すると銀行の顧客と直接的競合することになるので銀行内に抵抗勢力がいるでしょう(収益源に苦しんでいるのでもうそんなことも言ってられないのかもしれませんが)。
また、銀行は退職が早いので、人を派遣できるのであれば従業員の再雇用という観点からも銀行としてはメリットがあるかもしれませんね。「届け出だけで制限なく出資できるようにして銀行の収益源の多様化を図るねらい」とのこと。制限なく出資できるのは妙味があります。地銀による地場産業やFinTechのM&Aが進むかもしれません。