首都圏 緊急事態宣言解除以降 鉄道利用者が急増 新型コロナ

首都圏 緊急事態宣言解除以降 鉄道利用者が急増 新型コロナ
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緊急事態宣言が全国で解除されて以降、首都圏では鉄道利用者が急増しています。
JR東日本によりますと、緊急事態宣言が全国で解除された先月25日から29日までの平日5日間、首都圏の鉄道を利用した人は、緊急事態宣言が出されていた前の週と比べると14%増えました。

また、山手線も朝の通勤時間帯の利用者数はその前の週と比べると16%増加しました。

駅別でみても、その前の週と比べ、渋谷駅で23%、東京駅と新宿駅で22%といずれも増加するなど、緊急事態宣言の解除を受け、都内の各駅の利用者は増えているということです。

一方、東京メトロによりますと今月1日から4日までの間、銀座線や丸ノ内線など全9路線、合わせて179駅を利用した人は、去年の同じ時期の52%から56%でした。

緊急事態宣言が、全国で解除された先月25日の週と比べると、15ポイントほどそれぞれ増加しているということです。

鉄道各社は混雑情報提供

鉄道各社では、緊急事態宣言が全国で解除され利用者が増える中、ホームページなどで混雑情報を公表し、時差出勤などを実施するよう呼びかけています。

このうち、JR東日本は携帯の公式アプリで山手線の混雑状況をほぼリアルタイムで見られるサービスを行っているほか、ホームページでは、東海道線や中央線など12線区・13区間の車内混雑の状況を過去1週間分提供しています。

また、首都圏の大手私鉄でも各社のホームページで路線ごとの混雑時間帯などを紹介しています。

鉄道各社は混雑緩和のため、引き続きテレワークや時差出勤などの実施を呼びかけています。

専門家「対策すればリスクそれほど高くない」

通勤や通学で利用する電車での感染対策について、感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「満員電車は一見すると密閉、密接、密集のいわば『3つの密』の条件がそろっていて、感染リスクが高いと思いがちだが、適切に対策をすればリスクはそれほど高くない」と指摘します。

そして、個人ができる対策として、マスクの着用と車内での私語を慎むこと、それに目的地に着いてから手を洗うことの3つが重要だといいます。

人との距離

また、人との間の距離は2メートル程度に保つのが望ましいとされていますが、マスクを着けて会話を控え、顔を極端に近づけなければリスクは低いということです。

手すり・つり革

手すりやつり革を使うことについては使用後に顔に触れるのを避け、目的地に着いて速やかに手洗いを行えば、感染するリスクは下げられるといいます。

ドアのそば・窓の近く

一方、換気について、一般的に空気の通る場所はリスクは低いとされます。ただ、空気の流れはあっても飛まつなどが流れてくることもあり、電車のドア付近や窓の周りがほかの場所に比べて極端にリスクが低くなるとは考えにくいということです。

賀来特任教授は「感染リスクをゼロにはできないが、相当程度、下げることはできる。神経質になりすぎず、ポイントを押さえた対策を取って公共交通機関を利用するのが大事だ」と話しています。