産油国、大幅減産7月継続 需要低迷で価格下支え
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下支え、は、下がりそうなものを何とか食い止める、という意味です。
現在、米株に見られるリスクオンムードで原油価格も回復していますが、実需というよりは仮需(投機)による上昇、再びリスクオフになればすぐ底が割れることになります。
したがって産油国は協調減産で価格を下支えしたいところですが、このゲームが一筋縄では行かないところは、市場シェアを獲得したい産油国がひっそりと、ないしは大っぴらに増産に努めてしまうことです。4月下旬の主要産油国の合意は5、6月が日量970万バレル、7月から2020年末まで日量770万バレル、21年1月~22年4月まで日量580万バレルと段階的に縮小するものでしたが、そもそも970万バレルでは需要の減少に追いつかず、伝統的にOPECのスイングプロデューサー役を担ってきたサウジは6月から独自の追加減産を決めました。970万バレルの減産を決めて以降、原油価格はじわじわ上昇を続けていますが、新型コロナウイルス問題が深刻化する前の60ドル台(WTI)はもとより、ロシアの反対で合意が行き詰った3月初めの40ドル台にも未だ戻っていない状況です。このニュースが出ても価格はさして上がっていないようですが、一時言われた在庫場所が無くなるといった状況は緩和されているようですし、原油価格のゆっくりとした上昇はこの先も続きそう。
「各国の取り組みを確認する監視委員会を12月まで毎月開き」とありますが、併せて日量360万バレルの減産に同意したとされる米国、カナダ、ブラジル、ノルウェーといった、国家の統制が民間に及ばない国々は今後どう動くのか。原油収入が頼りの国家財政を均衡させるため少なくとも60ドル以上にはしたいであろうOPEC諸国をよそに、価格が50ドルを超えて上がれば世界最大の産油国に伸し上がった米国のシェールオイルがかなりの増産を始めそう。
輸出が急減するなか原油輸入を大きく減らすわけにもいかない我が国にとって、原油価格の上昇は重荷です。ほどほどのところで落ち着くことを念じつつ、行方を見守りたく思います (@_@。カルテルを一旦壊してマージナルプレーヤーを追い出し、再度カルテルを作り直せば仮に実需が弱くても一定の利益を確保できる。計数的な確認は後でしたいと思いますが、教科書通りのオーソドックスな動きと思います。