【実録】「中国漬け」に悩むアフリカ諸国
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先月、ザンビアの工場を経営する中国人3名が惨殺される事件がありました。先週は、ナイジェリアの鉱山で中国人2名が誘拐されています。同種の事件がアフリカ各地で相次いでいて、日本人も中国人と認識されれば襲われる可能性はあるでしょう。
新型コロナウィルスの機会に、広州のアフリカ人が中国人から差別を受けた、というのが引き金のようにも見えますが、遅かれ早かれ、アフリカ諸国の中国への不満は爆発するしかないでしょう。
中国企業の進出は、アフリカ諸国のGDPを増やしてはいますが、中国企業が現地の資源を開発して中国に輸出する、中国企業が資源を加工して現地で生産する、工場で働く人間まで中国から来ている、そして中国人が行く食堂やスーパーマーケット、理髪店まで中国から来た中国人がやっている、といったものです。
一方、現地の中小企業、特に製造業は、中国から来た製造業や、中国から輸入された製品と競合できるわけもなく、潰れていっている、というのはよくいわれることです。
もっとも、中国政府としては、「債務の罠」を仕掛けたというつもりはおそらくないでしょう。アフリカ諸国の中小企業を潰したり、港や鉱山を手に入れても、中国政府が手に入れる収益は知れています。むしろ、そんなものを運営するコストは計り知れません。
本当のところは、外貨準備が有り余り、国内の設備投資が行き過ぎて生産過剰になり、在庫が溢れてしまったため、その投資先や輸出先を求めた、というのが実際のところでしょう。東南アジアや南アジア、アフリカで「一帯一路」ということで莫大なインフラ投資をすれば、投資のリターンもあり、生産設備も在庫も活用できる、というのが最大の動機だったでしょう。
「一帯一路」は、遠大過ぎて杜撰過ぎる計画です。外国への大規模投資など、一カ国相手でも、非常な調査と準備と経過の管理が必要なのに、数十カ国相手に緻密な投資などできるわけがありません。中国政府も企業も、そのための十分な経験があるとはとてもいえません。今となっては、中国政府もこんなことに膨大な外貨準備を投資してしまったのは、あまりにも早まったことだったといえるでしょう。
中国政府としては、この際、債務を帳消ししてアフリカ諸国へ恩を売る、どころの余裕はなく、できるだけ損失を減らすために、早急に回収できるだけ回収したい、という発想になっているのではないでしょうか。中国とアフリカはもはや切っても切れない関係になっています。コロナ後にアフリカと中国の間に生まれた緊張と、その後を、アフリカ報道に強いQuartz(https://qz.com/japan/)がお届けしています。
また記事中に出てくる、中国におけるアフリカ人差別の問題。本日からのNewsPicksの特集で「人種主義」の問題について、真正面から取り組んでいるので、ぜひ合わせてご覧ください。
中国からのインフラ投資により、鉄道や道路等が整備されたのは確かですが、労働者は中国から来て、完成したインフラも不必要にハイテク過ぎて使えないものばかり。国内は中国の労働力とインフラの押し売りで溢れているとエチオピアに旅行した人から聞いたことがあります。
一見、中国は経済発展を支援しているように見えますが、実際は現地で本当に必要とされることを出来ていないのではないでしょうか。
だからアフリカ諸国と良好なリレーションが構築できないのだと思います。
金を出して、自国インフラを売り、自国民の雇用を創出するだけのアフリカ投資になっているようにも思います。もっと言うと「債務の罠」で、土地や資源、港湾等の権益まで自分のものにしてしまおうという思惑も透けて見えます。
一方で、アフリカではリープフロッグ・イノベーションが起きています。既得権益が少なく、先進国よりも規制がフレキシブルなため、フィンテック、ヘルステック、モビリティーテックなどの実践の場になっていて、世界各国からベンチャー企業が進出しています。
中国漬けから何とか抜け出し、リーフフロッグイノベーションで現地のニーズにあった社会を実現し、世界をリードするフロンティアになってほしいと思います。