親中の元総統候補、リコール成立 台湾・高雄、韓国瑜市長罷免へ
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国民党は、2000年に政権交代が起きるまでは、台湾の政権そのものであり、民進党政権に移行してからも、強大な資金と党員組織を持つ国民党は、なお優位に立てるはずでした。
しかし、その後は混迷を重ね、連敗を続けているのは、国民党がその存在意義を見失ってしまったからだと思われます。
国民党は、本来、中国共産党を打倒して中国全土の領土を奪回することが最大の存在意義でした。しかし、その可能性があまりにも遠ざかり、民進党に政権を奪われると、中国との平和的統一が最大のセールスポイントになりました。中国の経済発展に威を借りて、一国二制度の下での中国との融合こそ、台湾繁栄の道である、と唱えることが最大の存在意義になりました。
今回のリコールは、民進党政権の新型コロナウィルス対策が成功したということもありますが、それ以上に、中国共産党の強硬化、香港で一国二制度が踏みにじられつつあるということが大きいだろうと思います。一国二制度で中国との融合を進めようとする中国国民党(今なお党名は中国国民党です)が、人気を失うのは必然でした。一時は勢いのあった韓国瑜さんだが、リコールを喰らいましたか…。国民党は踏んだり蹴ったり。党勢を立て直すのは相当大変そう。米中対立が激しくなると、さらに国民党には分が悪い。
日本での論調を見ていると肯定的な受け止め方が多いようですが、台湾は完全民主化からまだ日が浅く、民主主義の発展途上にあり、今回のリコールもその発展途上の過程にある出来事であると同時に、台湾の選挙制度の問題点そして民主主義の危うさを感じさせました。
リコール成立には総有権者数の1/4の賛成票だけで良いだけで無く、リコール発起についてもやや情緒的であったと思います。
確かに、総統選には出ないと言う前言を撤回して総統選に出馬しましたが、法的な問題はありません。また、市政において決定的な瑕疵があったわけでもありません。
市長選で「韓流」の風に乗って当選した韓市長自身が「反韓流」の風に吹き飛ばされたと言うことでしょう。
興味深いのが、リコールの反対票がたった2万5千票しかなかったことです。いくら民進党の地盤とはいえ、国民党票がこれほど少ない事は無いはずで、国民党支持者の動向がどうだったのかも気になります。