442PICKs
【アート思考】気づきを生む「とっておきの鑑賞法」
2020/6/7
アートを通して「思考力」を磨く、これまでにない「美術の授業」のプロセスを書籍化した『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)が大反響を呼んでいる末永幸歩氏。
インタビュー最終話では「課外授業」として、大人の読者が「アート思考」を育むための鑑賞法を紹介しよう。
好奇心と行動が「セット」になる
──生徒たちの反応から、授業にどのような手応えを感じていますか?
末永 生徒が「興味のタネ」を見つけるプロセスや、そこから探究するプロセスを目の当たりにすると、この経験はきっと将来にも生きるだろうと思いますし、それが一つの成果と言えるのではないかと感じています。
ある生徒の場合、アートで「戦争」を表現しようとしていて、学校中からいらないものを集めてきて、そこに針金をくっつけたり、古くなった絵の具をブシャッとかけたりと、いろいろな試行錯誤をしていたのですが、ある日のこと、家からライターを持ってきて、教室の外で何かを燃やしはじめたんですね。
さすがにびっくりして、教員として「学校でモノを燃やすのはまずいよ」という話はしたのですが、そのことを置いておけば、すごくいいなと思ったのです。
何がいいかというと、美術の課題を「やらされている」のではなく、自分から好奇心を持って行動しているところ。
大人になると「さすがにこれはダメかな」とか「そこまで無理をしなくてもいいかな」などと、自分でストップをかけがちですが、好奇心を優先して実際に行動を起こすところまでやったのがすばらしいなと思いました。
──興味のタネから探究の根を伸ばしていくというプロセスは、この先、生徒さんたちが進路を考えたりするときにも重要になってきそうですね。
本当にそう思います。
美術作品の制作を通じて、このプロセスをひと通り経験した生徒たちは、人生にとって必要な「学び」を、すでにマスターしたのだと思っています。
前回紹介した、「自然がつくるアート」を探究した生徒にしても、毎回学校にカメラを持ってきていて、雨が降りだしたとたんにバッと表に飛び出していきました。あれは、その場で行動を起こさなければ誕生しなかった作品です。
そんなふうに、好奇心が行動へと一直線でつながるような感覚は、ずっと憶えていてほしいと思いますね。
「アウトプット鑑賞」のすすめ
プレミアム会員限定の記事です。
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題
今すぐ無料トライアル
学生の方はこちら
法人プランはこちら
この連載について
まるで預言者(プロフェット)のように、新しい時代のうねりをいち早く紹介するNewsPicksのインタビュー集。本質を見抜く視点を毎週つむいでゆくことで、ちょっと先の未来を覗こう。
ビジネス雑誌、書籍を発行する出版社。代表誌は「週刊ダイヤモンド」、「ハーバード・ビジネス・レビュー」など。
業績
この連載の記事一覧
【実践編】困った思想に毒された家族との分断を解消する方法
122Picks
【なぜ】嫌韓嫌中、女性蔑視。老いた父が変わってしまった理由
177Picks
【自省録】失った信用を取り戻す「たったひとつ」の行動
179Picks
【カラテカ入江】吉本契約解除から4年、「信用」を失った男の自省録
175Picks
若手への直言。数十年先まで「持ち運べるスキル」の習得法
1148Picks
【新】全世代必読。日本の会社員が「50代でダメになる」理由
958Picks
【超実践】録画、塩対応。職場の問題児への正しい接し方
333Picks
【大迷惑】本当に「自分が悪い」とは思えない病気がある
352Picks
【必見】1万円を100億円に変えた、非常識な成功哲学
408Picks
【木下勝寿】凡人は「ピッパの法則」で一流に変わる
595Picks