【特別実況】創造力が開花する「アート"白熱"教室」

2020/6/6
アートを通して「思考力」を磨く、これまでにない「美術の授業」のプロセスを書籍化した『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)が大反響を呼んでいる末永幸歩氏。
インタビュー第2話では、実際の授業の様子を覗いてみよう。
「頭と手」を使って考える
──前回は、アート作品を起点に「今までとは違う物の見方」を身につけるための「6つの問い」をご紹介いただきました。実際の授業も、作品を見ながら、こうした問いについて考えを巡らせるというかたちで進んでいくのでしょうか?
末永 そうですね。特に1学期は、まさに前回お話ししたようなアプローチで「思考のベース」をつくっていきます。鑑賞中心の授業と言ってもいいでしょう。
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それで、実際に手を動かして絵を描いたりものをつくったりするのは、2学期以降になってからというパターンが一番多いです。
とはいえ、「思考法」「実技」という分け方をしているわけではありません。1学期は頭を使って考え、2学期・3学期は手を使いながら考えるというイメージです。
つまり、「アートを通して思考する」という意味では、やっていることは同じなのです。
『13歳からのアート思考』の中では、「実技偏重」の美術の授業に対してやや批判的なことも書きましたが、「自分なりの答えをつくりだす」というアウトプットの部分においては、やはり技能も重要です。
(Kohei Hara/Getty Images)
とはいえ、アウトプットのクオリティを上げていくには、その背景にある思考の部分に、もっと焦点を当てていかなくてはなりません。
なのに、今の中学校の美術の授業では「まず技能ありき」という風潮があるので、そこは「逆なのでは?」と思っているのです。
「表現の花」を咲かせるプロセス
──実際に「手を動かす」ほうの授業では、どのようなことが行われているのでしょうか?
まず、私はアートを「植物」のようなものだと考えています。
表現としての絵画や作品を「花」だとすれば、その花が養分にするのは、自分自身の興味や好奇心、疑問などです。私はそれを「興味のタネ」と呼んでいます。
「興味のタネ」から縦横無尽に「探究の根」を伸ばし、一見、何の脈絡もない発見や気づきを養分として取り入れていく。それがひとつにつながることで、唯一無二の「表現の花」が咲く──それが、私が考えるアートの創作のプロセスです。
実際に作品をつくる授業では、私はこのプロセスのどこか1カ所について「決まりごと」を指定します。そのほうが「なんでも自由につくっていいよ」というより、むしろ自由な発想が出てくるのです。