[東京 4日 ロイター] - 菅義偉官房長官は4日午前の会見で、国際オリンピック委員会(IOC)などが新型コロナウイルスのワクチン開発を東京五輪の開催条件としているという事実はないと強調した。ただ、ワクチンが果たす役割は大変大きいとは認識していると述べた。何よりもアスリートと観客の安全安心が重要で、IOCと組織委員会の間でサービス水準の最適化・合理化について合意しており、現在協議しているとした。

コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークが普及したことについて、東京一極集中の是正にもつなげるため、全国で普及するよう尽くしていきたいとした。そのため2次補正予算で、光ファイバーの全国整備に向け500億円を計上しているとした。

中国の習近平国家主席の訪日については、全体の状況を見ながら日中韓で調整を進めていくことになるが、今重要なのはコロナウイルス感染症の収束だとして、「今具体的な日程を調整する段階にはない」と述べた。

韓国の最高裁が元徴用工訴訟で日本製鉄(旧新日鉄住金)に賠償を命じた問題で、韓国の地裁支部が資産の現金化の一歩となる差し押さえ命令決定の通達手続きを行ったことが報じられたが、菅官房長官は「コメントは控える」とした。8月4日午前0時以降、日本製鉄側に決定が伝達されたとみなされ、資産の売却命令の検討が本格化するという。

菅官房長官は「差し押さえ資産の現金化は深刻な影響を招くため避けなければならない。韓国が早期に解決策を示すよう引き続き求めていく立場に全く変わりない」と従来の一貫した立場を繰り返した。

*内容を追加しました。

(中川泉 編集:青山敦子)