【高岡浩三】僕の役割は、大企業とベンチャーの溝を埋めること

2020/6/4
2010年、日本人として初めてネスレ日本の社長に就任し、飽和している食品マーケットの中で、在職10年で売り上げを1.3倍、営業利益を1.9倍に成長させた高岡浩三氏。
カプセルの定期購入を条件にコーヒーマシンを貸し出す「ネスカフェアンバサダー」や、一人一人の身体に応じた健康アドバイスを行う「ウェルネスアンバサダー」など、画期的なサービスを次々に生み出し、「大企業イノベーター」の筆頭として存在感を発揮してきた。
2020年3月には「60歳の再スタート」として同社社長を退任。次の動向が注目されていた矢先、「WEIN挑戦者FUND」の代表パートナーに就任することが発表された。
20歳以上も年が離れた本田圭佑氏、溝口勇児氏とともに、ファンド運営という新領域に乗り出した理由は何か。高岡氏が、退任以来のインタビューに答えた。

自分自身の実力を試したい

──高岡さんは今年3月に、ネスレ日本の社長を退任しました。そこから今回の代表パートナー就任までには、どのような経過をたどったのですか。
高岡 もともと退任の4年ほど前から、60歳を機に第二のキャリアに挑戦したいと思っていました。