[東京 3日 ロイター] - 3日の原油先物は上昇。北海ブレント先物は3カ月ぶりに40ドル台に乗せた。主要産油国が減産期間を延長するとの期待や新型コロナウイルス危機からの回復が燃料需要を支えるとの見方が背景となっている。

0252GMT(日本時間午前11時52分)現在、北海ブレント原油先物<LCOc1>は0.43ドル(1.1%)高の1バレル=40ドル。一時40.42ドルまで上昇し、3月6日以来の高値を付けた。2日は3.3%上昇した。

米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物<CLc1>は0.68ドル(1.9%)高の1バレル=37.49ドル。こちらも一時、3月6日以来の高値となる37.88ドルまで上昇。2日は3.9%上昇した。

原油価格は新型コロナの発生地である中国の景気改善や他国の経済活動再開を受け、ここ数週間に4月の安値水準から大幅に上昇している。

また関係筋によると、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は日量970万バレルの減産合意について、4日にも開催が見込まれるオンライン会合で7月か8月まで延長する可能性がある。

現在の合意では5月と6月に日量970万バレルの減産を実施し、7月から12月までは減産幅を日量770万バレルに縮小することになっているが、サウジアラビアはより大規模で長期的な減産を呼び掛けている。

INGエコノミクスは「より大幅な減産は市場の均衡化プロセスの加速につながる」とし、「今年下期が近付く中、市場はすでに供給過剰から供給不足へとシフトする見通しとなっている」と述べた。

キャピタル・エコノミクスはノートで「新型コロナウイルス関連のロックダウン(都市封鎖)措置の解除が続く中、われわれは需要が徐々に回復すると見込んでいる」と指摘。世界の石油消費について、2020年は平均で日量9200万バレル弱に落ち込むと予想。19年は日量1億0020万バレルだった。

また、石油が年内に「小幅に不足」する公算が大きいとし、「価格をある程度さらに支援しそうだ」と付け加えた。

米石油協会(API)が2日公表した週間在庫統計によると、5月29日までの週の原油在庫は前週比48万3000バレル減少した。ガソリンと留出油の在庫は上昇した。