[ロンドン 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)議長国のクロアチアが作成した2日付文書によると、域内銀行向けの新型コロナウイルス救済措置における条件として1年間の賞与禁止が設けられる可能性があることが分かった。

救済措置では、企業への融資継続を支援するため銀行の資本要件が一部緩和される見込み。立法化には欧州議会およびEU加盟国による承認が必要となる。

EU規制当局はすでに、経済への打撃が明らかになるまで賞与や配当を先送りするよう銀行に要請しているが、欧州議会ではより厳しい条件を求める声が出ており、賞与や裁量的な年金給付、自社株買い、配当などを一時的に停止する権限を規制当局に与える案が浮上している。

文書では、強制的な賞与禁止などについてEU加盟国に意見を求めており、「最大12カ月の強制的な禁止につながる可能性がある」とした。欧州委員会が判断する深刻な経済的混乱の期間次第で、さらに長期化する可能性もあるという。

このような禁止措置に対する支持が議会の超党派で十分得られているかは不明。

救済措置では銀行のレバレッジ比率の算出から中銀への準備金を除外する案も出ている。融資継続に向けバランスシートに余裕を与えることが狙い。

欧州議会は救済措置について8日に初の採決を行う予定。その後、最終合意に向け、6月末までEU加盟国が協議する。