【直撃】伊藤忠は「リテール金融」をどう育ててきたのか

2020/6/5
総合商社ナンバーワンの座をめぐる競争が注目される三菱商事と伊藤忠商事。2019年度は純利益で伊藤忠がトップに立つとの見方もあったが、フタを開けてみれば三菱商事が逃げ切った。
だが、株式市場の伊藤忠に対する期待は相変わらず高い。
6月2日、伊藤忠商事の時価総額が三菱商事を超えた。同日の終値ベースでは、伊藤忠が3兆7649億円となり、三菱商事(3兆6964億円)を初めて上回った。
(写真:時事)
時価総額の「逆転劇」は、直接的には、三菱商事が5月末に自社株を消却した影響が大きいとみられている。
だが、生活消費関連を中心に、「非資源」の分野で多角的、安定的に稼ぐ伊藤忠は、他の商社よりも常に高めに評価されてきたのもたしかだ。
商社の「未来」を考える上で、資源に頼らない事業をどう育てていくかは大事なポイントになる。
では、非資源事業の中でも特に注目が高い、生活消費関連のビジネスに商社が関与していくというのは、いったいどういうことなのか。
リテール向け金融事業を例に、伊藤忠の「非資源」事業の作り方を、伊藤忠商事情報・金融カンパニーの加藤修一・金融・保険部門長に聞いた。