(ブルームバーグ): りそなホールディングス(HD)は、4月1日付で就任した南昌宏社長の下、経営基盤の再構築を進める。専門チームを発足して「業務プロセスの断捨離」に取り組むと同時に、現在1万人を超える事務系の人材を3年後には全員営業やコンサルティング業務が担える体制に移行する。

南社長は5月27日のインタビューで、これまでの業務改革は「プロセスを変えずにシステムが介在する面積を増やしていた」と指摘。業務の電子化だけでは、これ以上成果が見込めない水準に達していることから、発想を転換して既存の業務手順を「断捨離する」手法を取ると述べた。

4月1日に発足したクロス・ファンクショナル・チーム(CFT)が作業にあたり、4-5年後にはシステムコストの3割、顧客に対応する支店にかかるコストの2割削減などを目指す。新商品や新サービスの提供、枠組みの変更など、従来相当時間がかかっていた分野での時間短縮も目指す。

業務改革を通じて人手を介するプロセスを大幅に減らすことで、事務系の人材が他の業務にあたる余裕が生まれる。南社長は、銀行従業員の約半数が事務系の仕事に関わっているが、3年間で事務系全員が営業やコンサルティング業務をできる体制にすることで、「皆で新しい価値を提供していく」組織にすると述べた。

りそなHDは5月に発表した中期経営計画で、2023年3月期の純利益を20年3月期比で5%増の1600億円を目指し、経費率は20年3月期の63.3%を60%程度に引き下げる計画。南社長は、CFTでの新規ビジネス開拓も並行して行うことで、同中計期間中に「脱銀行」への動きを加速すると表明。中計を終えた翌年には、成果が収益に反映されるとの見通しを示した。

高度専門人材に高報酬

南社長は従来の人事制度に「メスを入れる」と述べ、高度な専門性を評価する人事制度の導入を来年4月めどに目指す考えも示した。従来の「支店長を中心としたヒエラルキーの仕組みはきしみが生じていた」と指摘。フィンテックに対応するIT人材などを例に挙げ、高度専門人材には従来より高い報酬を出すことで「人材ポートフォリオの変革」を行う。

りそなHDでは「同一労働同一賃金」の概念を08年に取り入れ、15年には業務内容によって正社員とパート社員、業務や勤務時間を限定できる「スマート社員」をライフステージによって選択できるようにするなど人事制度の改革を進めてきた。

 

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