【図解】米中冷戦の陰の主役、「TSMC」とは何者か?
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駆け出し記者の域を出てない10年近く前。ある記事を見てTSMCの存在を知りました。
記事には売上高が1兆5000億円弱、営業利益が約5000億円と書いてある。「え? 営業利益率3割越えの下請けなんてあるの」と。
記者が営業利益をミスで一桁多く入力してしまったのではと、疑ってしまったほどです。
・日本では「受託生産」というと「下請け」のイメージ。
・「下請け」というと「儲からない、搾取される側」のイメージが少なからずありました。
当時、私は中小ものづくり企業を取材していましたが、今以上に「ものづくりは儲からない」「脱・下請け」という言葉が多く飛び交う中、TSMCの「イカれた」利益率には、嬉しくも感じました。
同時に「下請け」とは何かとも考えさせるきっかけになりました。
「自社製品持つ・持たない」は、もはや関係ないな、と。
仮に自社製品を持っていても、
・突出して優れたものがなく、代わりの商品サービスがいくらでも見つかる
といった企業は、最終消費者にとってはただの「下請け」で、安値でたたかれる。
一方、下請けと呼ばれようが受託加工でも、
・突出した優れた何かを持っている
・顧客の声に先回りして提案できる
のであれば、簡単に代わりが見つからないので、値下げ要求が少なく利益率が高い。
エヌビディアやクアルコム、アップルは、技術の先端を走るTSMCのロードマップ(技術計画)を参考に半導体開発しています。
スマホもゲーム機も性能進化はTSMCの技術次第とも言える。まさに後者の事例に当てはまります。
ビジネスパーソン個人に例えてみても、
・何でもこなせるけど、突出した強みがない
・指示待ち人間
これがまさに下請け企業の個人版で、その会社で苦労役ばかり。
にもかかわらず身に付くものといえば、その会社でしか通用しない人脈とスキルのみ(苦労に対して報われない低利益率)。
一方、会社から見て、従順には映らなくても、
・突出した強みを持つ
・会社や上司の方針に先駆けて計画立てる
そうした人材こそが企業に必要で、これから価値を高めるだろう。
このようなキャリア観について早い段階で考えたのも、TSMCのおかげでした。台湾セミコンですね、極端に言えば世界のほとんどの半導体はここが焼いてます。うちの投資先もここを使ってる。
恐らく後編でやるのでしょうが、この問題を見越して既に先月、米アリゾナに1兆円強を投じて工場建設を発表済みです。
これは米中問題、中台問題でもあるが、通底するのはテクノロジー冷戦、技術保護主義。これは向こうしばらくは不可避なトレンド。
日本もこの辺頑張ってます。全くもって他人事ではない。
https://diamond.jp/articles/-/236721ここ最近、報道でTSMCという企業を目にしますが、実は時価総額でトヨタを上回る規模だということまでは、あまり知られていないと思います。
今や世界のハイテク製品には欠かせない存在で、その重要性がゆえに、米中対立に巻き込まれてしまいました。本記事では、そんなテクノロジー戦争における「オセロの隅」のような超重要企業を図解しています。