[東京 1日 ロイター] - 財務省が1日発表した2020年1─3月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、設備投資額は全産業で前年比4.3%増となり2期ぶりに増加、前期比でも6.7%増となった。しかし、コロナ禍に伴い回答率が通常より10%程度低く、財務省も実勢を表していないとして回答期限を延長して7月末に確報を発表する。来週発表の国内総生産(GDP)2次速報の設備投資も、見かけ上は強めに出る可能性が高い。

財務省によると、今回の調査の回答期限は5月10日。新型コロナウイルスの影響で、回答に困難が生じた企業が多かったとみられる。中小企業から大企業まで全ての規模で回答率が10ポイント以上低くなり、全体では62.3%と低い水準となった。

このため同省では、今回の調査票の回答期限を2カ月程度延長して引き続き調査票の回収を行い、それらを踏まえた集計結果を概ね2カ月後の7月末に「確報値」を公表する予定。

通常、設備投資に関してはGDPの1次速報値に法人企業統計等を加味して2次速報に反映させるが、今回は6月8日発表の1─3月期2次速報に反映されるのは実勢を表していない数値になる。1次速報の段階での設備投資は前期比実質マイナス0.5%と、2期連続の減少となっていた。

こうした事情を踏まえ大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、2次速報は「1次速報の設備投資よりもかなり強い数字となりそうだ」とみており、「見かけの良さは、実態と異なる」と指摘する。

きょう発表の調査結果でみると、設備投資は前年比4.3%増、製造業が前年比0.6%増、非製造業は6.2%増で、消費増税で一服していた非製造業の投資の増加が目立った。

売上高は前年比3.5%減で、3期連続の減収。経常利益は前年比32.0%減と、4期連続での減益となった。

*内容を追加しました。

(中川泉 編集:田中志保)