日常をアイデアに変える『メモの魔力』より

メモを使って「やりたいこと」を見つける自己分析3ステップ【100の質問】

キャリア
これからは、自分をよく知り、何かに熱中している人が評価される

そして、メモを使えば自分のことを深く知ることができる

SHOWROOM代表・前田裕二さんはそう主張します。

そこで今回は、2019年上半期ビジネス書1位(トーハン調べ)にも選ばれた前田さんのベストセラー『メモの魔力』より、メモを使った自己分析術をご紹介。

記事の最後に掲載した「自分を知るための自己分析100問」も活用して、自分の軸となる「人生のコンパス」を手に入れましょう!
メモの魔力 -The Magic of Memos-

メモの魔力 -The Magic of Memos-

自己分析をすべきなのは、就活生だけじゃない

自己分析は就活のときだけやればいいというものではありません。

就活のときは「面接官を納得させるため」という目的がありますが、就活でなくても、 自分の人生のコンパスを見つけるためにも、汎用的なブレない軸を見つけることは本当に大切です。

軸がないと、自分を揺さぶってくる事象が何か起きたときに「あれ? ちょっと違うかもな…」と毎回揺れ動いてしまうからです。

この、ブレない価値観の軸が、自分の人生のアンカー、錨(いかり)、の役目を果たします。

できるだけ抽象度が高く、かといって、抽象度が高すぎてぼんやりしないちょうどいいバランスのアンカーを、壊れて変な方向を指すことがない揺るぎないコンパスを、自己分析によって見つけましょう。

メモを使った自己分析3ステップ

記事末の自己分析に関する100問に答え、抽象化することを目指してノートを書いてみましょう。

自己分析ノートの使い方を解説します。

メモを使った自己分析ステップ①

まず前提として、ノートは見開きで使います。左上に問いを書いて、左ページにはその問いに対する具体的な答えを書いていきます。

僕自身の例をあげるならば、「自分の長所は?」という問いと、それに対して具体的に思いつくこと、それらをまとめて「圧倒的な努力」という標語を書きます。

これらファクトを左ページに自由に書いていきます。

メモを使った自己分析ステップ②

そして、右ページに移ります。ここで、抽象化をします。

「圧倒的な努力」の具体例たちを抽象化して、二つに分けたページの左側に「運命に対する憤り」という言葉を書きます。

メモを使った自己分析ステップ③

ここで抽象化した「運命に対する憤り」に対して、今度は「では、その価値観を持っている自分は、どうするとよさそうか?」と考えます。

たとえば、僕なら「その憤りが解消されるくらいの、運命を正当化するような結果を出す」となります。

これを、右ページの右側にある転用の欄に書きます。

まだ抽象度が高いので、さらに具体化していって、実際にすぐとれるアクションの形にまで落としていきます。

お気づきの方もいるかもしれませんが、実は、このやり方は、これまで本書で紹介してきたメモ術とまったく同じです。

具体→抽象→転用」という知的生産思考の黄金則に沿っています。

例①「幼少期に苦しかった経験は?」

幼少期に苦しかった経験は?

・ファクト
→お金がなくて塾に行けないが、塾に行っている子のほうがどうしても賢い。でもその後、死ぬ気で勉強して追い抜いた。

・抽‌象化
→運命を努力で覆したい、逆境はバネになることを証明したいというのが自分のモチベーションになっている。

・転用
→このモチベーションを原点に置いておけるような事業を創る。こういった憤りを持っている人に自分の体験を伝えて勇気を与える。

例②「中学校時代に一番影響を受けた人は?」

中学校時代に一番影響を受けた人は?

・ファクト
→ギターをくれた親戚のお兄さん。

・抽象化
→どんなときも味方でいてくれて、無償の愛を提供してくれた。それが物凄い支えになった。

・転用
→今度は自分が誰かの味方になって、無償の愛を提供していこう。

「では具体的に何をするか」まで書かなければ人生は変わらない

たとえば「10年後、あなたは何をしていますか?」という質問に答えるとします。

起業家なら「上場して時価総額1兆円企業の社長になっている」とでも書くかもしれません。

ただし、「1兆円の企業を自分が経営している」だと、抽象度が低く、本質的な自分の心理が見えている状態ではないので、「10年後を想像している自分」という状態を空から見てみるのです。

今、「1兆円の企業の経営者になることを望んでいる」という自分を深掘りしてみる。

すると、たとえば「1兆円企業の株の10%を持ち、1000億円の資産が欲しい」と思っている自分に出会うかもしれません。

もしくは「1兆円の企業を経営することによって、ビッグな経営者と言われたい」と思っているのかもしれない。

資金調達の規模感を上げて、大規模な投資をすることでより多くのインパクトを社会にもたらしたい」という思いが出てくるかもしれない。

それを抽象化の欄に書いていきます。どの質問においても、この抽象化の作業を行います。各項目の中で抽象度が上がったり下がったりしてもまったく構いません。

大きな流れとして、質問に対して具体的に答えた「ファクト」を抽象化する。

「本質は何だっけ?」「他のものとの共通点はないかな?」といったことを考えて、どんどんレイヤーを上げていく。これを守ってもらえたらと思います。

そして、抽象度のレイヤーを上げたあとに、「じゃあ、どうするの?」と、自分の現実にその価値観を落とし込んでみる作業が重要です。

つまり、ここでも、抽象化のあとは、必ず転用がセットになるのです。

「自分のやりたいことがわからない」という人であっても、こうした作業を繰り返すことによって、自分が何をすべきかが見えてきて、 驚くほど動きやすくなります。

転用」は本当に大切です。

「人生をかけて、この分野で大きな挑戦がしたい」ということがわかったとしても、「じゃあ今この瞬間、それに向けて具体的に何をするの?」 ということが決まらないと、何も前に進まないからです。

抽象化まで行っても、転用まで行かないので、行動に落とし込めずに夢が夢のままである人がどれだけ多いことか。

僕は、一度しかない人生において、何も行動を起こさず夢を夢のままにしておくのは、本当にもったいないことだと思います。

「じゃあ5分後に何をするのか」「今できることは何か」まで、考えてみましょう。

「大きな挑戦がしたい」であれば「明日から何をするの?」と考える。

1兆円企業に成長させたい経営者であれば、たとえば、「そもそも上場するために、どの証券会社がいいか、まずは尊敬する上場企業の社長たち、特に最近上場したA社とB社にヒアリングしてみよう」などという具体的なアクションが見えてきます。

「人生のコンパス」にたどり着くまでやり切る

本書で紹介している1000の質問(※『メモの魔力』には1000の質問が掲載されています)、いや、もっと言うと、世の中のすべての質問に答えるくらいの気持ちで、とにかく量をこなすことが自己分析においては重要だと思っています。

ただ、もし途中で自分のコアにたどり着き、「これは一生譲れない」という価値観の軸に気づいてしまったなら、一旦自己分析の筆を置いてもよいと思います。

「毎回ちょっと角度が違ったり、粒度が違ったりするけど、大体ここに行き着くな」という人生の方向性を指し示すようなコンパスを見つけたなら、それ自体が、自分を見つけた、ということです。

本当に就活で勝ちたいと思う方は、本書の1000の質問にすべて答えるくらいの熱量で挑戦してみるとよいと思います。

しかしながら、人生のコンパスを探すという意味では、そこまで徹底する必要はありません。

人生をより良く生きるための軸を見つけたいと思っているだけなら、記事末に掲載したレベル1の100問に答えるだけでも十分でしょう。

長所や短所、実現したいことやビジョンなど、それら自己分析の中核となるような問いにまず100問答えて、きちんと抽象化できれば、おそらく人生の軸は見つかります。

よく「やりたいことが見つからないのですが…」という人の相談を受けますが、自分に対する問いに100問答えて、すべて抽象化し、転用までやれば、きっと、自分が心からワクワクする何かが、少なくともその重大なヒントが見つかるはずです。

人生の軸が定まっていることは大きいです。

たとえば仕事をとりに行くときも、どんな仕事に囲まれれば自分が幸せになるかがわかっているわけですから、楽しい日々を過ごせる確率が上がります

逆に仕事を断るときも、「私はこの仕事を受けないです。なぜかというとこう考えていて、こういう原体験に基づいているからです」と自信を持って、後悔のない判断ができるようになります

自分を深く知っていれば、自分にまつわるあらゆる意思決定の場面において、ほとんど迷わなくなります

この本に出会ってくださった皆さんには、ぜひその状態を目指してもらって、より高次の喜びや幸せを得てほしいなと心から思います。

前田さんのメモ術が詰まった『メモの魔力』で人生を変えよう!

メモの魔力 -The Magic of Memos-

メモの魔力 -The Magic of Memos-

「新たな発想をするために特別なことをする必要はない。すべてのヒントは日常のなかにある。前田裕二がメモをとる姿を見ているとそう思う」(秋元康)

アイデア出し、自己分析、目標達成。

備忘録にとどまらない「メモ術」について前田さんが書いた『メモの魔力』。

自分を知るための「自己分析1000問」の付録つきで、あなたの自己実現を徹底サポートしてくれる一冊です!

自分を知るための「自己分析100問」はこちら

Introduction
1なぜ1000問に答えるのか、その目的は?
21000問に答えることで、何を得たいのか?
幼少期
3将来の夢は?
4理想の職業は?
5理想の人は?
6理想の食生活は?
7理想の住まいは?
8理想の年収は?
9理想のパートナーは?
10あなたの信念は何か?
小学校
11将来の夢は?
12理想の職業は?
13理想の人は?
14理想の食生活は?
15理想の住まいは?
16理想の年収は?
17理想のパートナーは?
18あなたの信念は何か?
中学校
19将来の夢は?
20理想の職業は?
21理想の人は?
22理想の食生活は?
23理想の住まいは?
24理想の年収は?
25理想のパートナーは?
26あなたの信念は何か?
高校
27将来の夢は?
28理想の職業は?
29理想の人は?
30理想の食生活は?
31理想の住まいは?
32理想の年収は?
33理想のパートナーは?
34あなたの信念は何か?
大学
35将来の夢は?
36理想の職業は?
37理想の人は?
38理想の食生活は?
39理想の住まいは?
40理想の年収は?
41理想のパートナーは?
42あなたの信念は何か?
社会人(20代)
43将来の夢は?
44理想の職業は?
45理想の人は?
46理想の食生活は?
47理想の住まいは?
48理想の年収は?
49理想のパートナーは?
50あなたの信念は何か?
未来
5130代になったときどんな仕事をしたいか?
5230代になったときの地位は?
5330代になったら、世の中にどんな影響を与えている?
5430代の年収は?
55何に優先的にお金を使いたいか?
5630代になったらどこに住みたいか?
5730 代のライフスタイルは?
5830 代で新たにチャレンジしたいことは何か?
5930代は、周りからはどのような役割を期待されているか?
6040代になったときどんな仕事をしたいか?
6140代になったときの地位は?
6240 代になったら、世の中にどんな影響を与えている?
6340代の年収は?
64何に優先的にお金を使いたいか?
6540代になったらどこに住みたいか?
6640代のライフスタイルは?
6740代で新たにチャレンジしたいことは何か?
6840代は、周りからはどのような役割を期待されているか?
6950代になったときどんな仕事をしたいか?
7050代になったときの地位は?
7150代になったら、世の中にどんな影響を与えている?
7250代の年収は?
73何に優先的にお金を使いたいか?
7450代になったらどこに住みたいか?
7550代のライフスタイルは?
7650代で新たにチャレンジしたいことは何か?
7750代は、周りからはどのような役割を期待されているか?
78何歳まで働いていたいか?
79そのとき、どんな地位にいたいか?
80そのとき、世の中にどんな影響を与えているのか?
81そのとき、資産はどのくらいあるのか?
82何に優先的にお金を使いたいか?
83そのとき、どこに住んでいるのか?
84そのときのライフスタイルは?
85新たにチャレンジしたいことは何か?
86周りからはどのような役割を期待されているか?
87死ぬまでに実現したいことは?(家族・親戚に関すること)
88死ぬまでに実現したいことは?(友人・知人に関すること)
89死ぬまでに実現したいことは?(勉強・仕事に関すること)
90死ぬまでに実現したいことは?(趣味に関すること)
91死ぬまでに実現したいことは?(その他)
92死の瞬間をどう迎えたいか?
現在
93将来の夢は?
94理想の職業は?
95理想の人は?
96理想の食生活は?
97理想の住まいは?
98理想の年収は?
99理想のパートナーは?
100あなたの信念は何か?