喫煙が新型コロナの重症化進める 米研究グループ、論文で明らかに
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喫煙は肺や心臓など、多くの病気のリスク因子であり、コロナでも重症化しやすいことが当初から言われています。コロナで入院した患者の患者9000人近くを調査した研究では、現在喫煙している人のコロナの死亡率は9.4%、元喫煙者や非喫煙者は5.6%と大きな差がみられています。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007621
今までなかなか禁煙できなかったが、コロナをきっかけに禁煙を決意したという患者さんもちらほらいらっしゃいます。ちなみに明日5月31日は「世界禁煙デー」です。禁煙を考えている方や周りにいらっしゃる方はこれを機にぜひ。
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/fctc/残念ながら解釈が誤っています。
おそらく元論文は仲田さんが引用されているものですが、この論文で証明したことは「喫煙が肺でのACE2発現を増やす」というもので、新型コロナの重症化とは関連付けていません。
これは喫煙がコロナ重症化(というよりウイルスの侵入)のリスクを上げる事を説明する一つの仮設となる基礎実験で、それ以上の事は言えません。
「喫煙がコロナの重症化を進める」かどうかは、それを直接比較した臨床研究でのみ言えます。原田先生が引用している論文は、まさにそれです。
*基礎研究の結果を人での所見としてそのまま解釈できない、ということは非常に重要です。実はARBやACE阻害薬という降圧薬は肺のACE2発現を増やすことが知られており、コロナ患者にはこれら降圧薬を止めたほうが良いか、真剣に検証されてきました。
結局、大規模臨床試験が同時に3つもNew England Journal of Medicineという雑誌に発表され、どれも「降圧薬の使用とコロナ感染は関連なし」と結論しています。
https://riklog.com/paper-review/covid-arb_acei-nejm/
この例からも、肺のACE2が増えるからと言って、コロナ感染リスクが増えるわけでないことがわかります。つまり、喫煙により新型コロナ感染リスクが増える原因は、他にも考えられるということです。ヒトでの現象は、単一の実験系や経路から説明できるほど単純でないことがほとんどです。↓この論文かな?
ACE2は喫煙、ウイルス感染、インターフェロン暴露?で増える、と纏めにはある。それでじゃあSARS-COV-2になりやすいかどうかは別じゃない?
Cigarette Smoke Exposure and Inflammatory Signaling Increase the Expression of the SARS-CoV-2 Receptor ACE2 in the Respiratory Tract
https://www.cell.com/developmental-cell/fulltext/S1534-5807(20)30401-9