[ブエノスアイレス 28日 ロイター] - アルゼンチン政府は28日、650億ドル規模の債務再編について、修正した再編案を発表した。返済期限をやや前倒しし、猶予期間を2年間に短縮する。

これに先立ち、主要債権団「アドホック債権者グループ」などが新たな債務再編案を提示していたが、政府はこの提案を拒否した。

アルゼンチンのグスマン経済相は、債務再編交渉について、来月2日の期日を控えて進展しているとの声明を発表。ただ、合意を締結して法廷闘争を回避するには、まだ作業が必要だとの認識を示した。

アドホック債権者グループなどが提示した新提案については、前向きなものだが「まだ不十分で、アルゼンチンのニーズを満たしていない」と指摘。「双方の距離は狭まっているが、まだ重要な問題が残されている」と述べた。

アルゼンチン政府は別の声明で、債務再編交渉で「修正した債務提案」を債権団に提示したと表明。大半の国債についてクーポンの支払いを2022年に再開する内容だとしている。従来は2023年の再開を提案していた。

また、新たな国債についても、大半の返済期限を当初の提案より1年前倒しし、一部の国債についてはクーポンも改善する。

同相は、アドホック債権者グループと今後も協力することを望むが、同グループが現在、政府のニーズを満たす上で「最も遠い」場所にいると指摘。「溝が狭まっている他の債権者がいる」と述べた。

これに先立ち、アドホック債権者グループは28日、別の債権団「エクスチェンジ債権者グループ」とともに、従来よりも「好条件」の新提案を提示したと発表。9年間にわたって約360億ドルの返済を免除する内容だとしていた。

アドホック債権者グループには、ブラックロック、アライアンス・バーンスタイン、アシュモアなどが参加している。

同グループは「(今回の新提案は)最大の債権者集団が支持しており、従来の提案よりもアルゼンチンにとって好条件になっている」と表明。「今回の共同提案は、政府が表明したマクロ・財政目標を達成するために設計した誠意あるものだ」と説明した。

具体的な提案内容は明らかにしなかった。