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コロナ対策で、日本は財政ファイナンスの領域に

 第2次補正予算で国費が33兆円追加された結果、国債発行額は90兆円を超えた。残高は1000兆円を超える。日本は「財政ファイナンス」の領域に足を踏み入れた。

◇ 「真水」は33兆円
 政府は、5月27日、第2次補正予算案を閣議決定した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59642430X20C20A5EA2000/
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14492093.html

 事業規模は117.1兆円で、一次補正と同じ。
 国費(いわゆる「真水」)は33兆円程度。これは、1次の25.7兆円より大きい。
 「真水」のうち10兆円は予備費。閣議決定後に国会へ報告すれば事実上、政権が自由に使える。
 財政投融資に39.3兆円を計上。20年度の当初財投計画は62.8兆円だったので、急増。
 事業規模には、さらに民間資金が大幅に算入された。

 雇用調整助成金は5月26日時点の申請件数5万954件に対し、支給決定件数は2万6507件。
 持続化給付金だ。5月25日までに約46万件、約6千億円を給付した。

◇ 国債残高が1000兆円を超える
 このところ毎年30兆~40兆円程度で推移していた国債の新規発行額は、20年度には90兆1千億円となる。
 財投債を加えると、900兆円台後半で推移していた発行残高は20年度末に1097兆円となる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59697440Y0A520C2EE8000/

 ただし、10年物国債利回りはマイナス0.005%で安定的。
 日銀が無制限に購入するとしているからだ。
 これは、事実上の「財政ファイナンス」だ。


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