新シャシーを採用
「TLX」はホンダがアメリカで展開するアキュラ・ブランドのラグジュアリーなスポーツ・サルーンで、今回発表された2021年型は2世代目。2014年登場の初代にくらべ、よりワイドに、より低くなり、スポーツ・サルーンを謳うにふさわしい精悍な印象を強めた。
新設計のシャシーには、フロントにダブルウィッシュボーン式、リアにマルチリンク式のサスペンションを採用し、ドライバーが走行モードを選択できる電子制御式のアダプティブ・ダンピング・システムを装備する。前後の重量配分を最適化するため、バッテリーはトランクルームに搭載している。
アキュラ車共通の5角形のダイアモンド・ペンタゴン・グリルを持つフロントには、「Jewel Eye」なる高輝度のLEDヘッドライトが与えられたのが目新しい。いっぽう、ボディ後端のマフラーは左右2本出しで、スポーティさを強調している。「A-Spec」のオプションを選択すると、グレー塗装の19インチのアルミホイールと、リアデッキの専用スポイラーがおごられる。
キャビンの各所には本物のアルミニウム、ウッド、およびレザーが使用され、インフォテインメント用モニターは10.2インチに拡大した。ギア・セレクターは「NSX」とおなじスウィッチ式。また、ルーフ内蔵の4個の薄型スーピーカーなどから構成されるパナソニック社製の「Acura ELS STUDIO3Dプレミアムオーディオシステム」が標準装備だ。革張りのフロント・スポーツ・シートは、16ウェイの電動調整式で、ヒーター/ベンチレーション機構が付いている。
272psの最高出力と379Nmの最大トルクを発揮する2.0リッター直列4気筒ガソリン・ターボを搭載、10ATを介して前輪を駆動する。また、NSX譲りの電子制御式4WDの「SH-AWD」がオプション設定されている。全長×全幅×全高=4942×1910×1432mmのボディは、先代より73mm長く、55mmワイドになり、15mm低い。ボディの56%にアルミニウムなどの軽量素材を使っているという。
先進安全装備はアップデートされ、高速道路の渋滞時に、ステアリング/アクセル/ブレーキ操作を統合制御する半自動運転システム「Traffic Jam Assist」を搭載した。
注目すべきは、ハイパフォーマンス版の「Type S」が初設定されたこと。こちらは3.0リッターV型6気筒の直噴ガソリンターボ・エンジンを搭載(パワー・スペックは未公表)し、10ATを介して全輪(SH-AWD)を駆動する。