[ブラジリア 28日 ロイター] - ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁は28日、金融政策オプションはまだ尽きていないとした上で、ゼロ付近への利下げや紙幣を発行して債券を買い入れ、財政赤字を補填することには懐疑的であるべきだとの見解を示した。投資銀行BTGパクチュアル主催のオンラインイベントで語った。

総裁は、金利の「下限」を特定するのは難しく、複数の要因に左右されると指摘。また、他の金融政策オプションがなくなる前に債券を買い入れれば、中銀への信頼感が損なわれる恐れがあると述べた。

一方、自身が望むほど円滑に中小企業に信用フローが行き渡っていないことに懸念を表明し、同セクターへの信用供与を促す追加措置を近く発表する方針も表明した。

総裁は「金融政策は使い尽くされていないと考える。市場の安定化のほか、債務のマネタイズにつながらない目標を達成するため、公債を利用する手段がある」と述べた。

また「(金利)ツールを使い尽くす前に他のツールを利用することはリスクプレミアムの上昇を招く」とした。

ブラジル中銀は今月、政策金利を75ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の3.0%とした。次回6月の会合で追加利下げを実施する可能性にも言及したが、緩和サイクルはそれで打ち止めになる見通しだ。

ブラジル経済が今年、過去最大の落ち込みとなる少なくとも6%のマイナス成長を記録すると予想される中、景気支援に向けた中銀の政策オプションは限られつつある。