[東京 29日 ロイター] - 経済産業省は29日、4月の鉱工業生産指数が前月比9.1%低下の87.1となったと発表した。3カ月連続のマイナス。新型コロナウイルスによる需要減で自動車業界の大幅減産とこれを受けた鉄鋼・非鉄金属などの減産も響いた。指数の水準、前月比でのマイナス幅ともに現行の2015年基準で比較可能な2013年以来過去最低水準となった。

基調判断も「急速に低下している」に引き下げ、リーマン・ショック直後の2008年11月と同じ文言を採用した。

<自動車33%減産、鉄鋼・非鉄、航空機部品も大幅減>

生産計画は5月が前月比4.1%減、6月は3.9%増となった。計画値の上振れ傾向を補正した5月予測は5.7%減と試算している。

業種別の4月の生産は自動車関連が前月比33.3%と大幅に落ち込んだ。鉄鋼・非鉄も14.3%減少したほか、自動車以外の輸送機械工業も航空機部品需要減などで25.0%と大幅に減少した。

大部分の業種で大幅な生産調整が進むなか例外的に増産となったのが生産用機械で、液晶など薄型パネル製造装置の好調で前月比2.5%増えた。

4月の出荷指数は前月比8.8%減の85.0となり指数、マイナス幅ともに15年基準で最低となった。在庫指数は前月比0.3%減少したものの、需要減に追い付かず、在庫率は前月比12.7%上昇の137.4と過去最高に膨らんだ。

*内容を追加しました。

(竹本能文 編集:石田仁志)