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プロ野球助っ人外国人に注目! 海外エンジニア採用・育成のコツとは?マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(1/4 ページ)

» 2020年05月29日 07時00分 公開

 IT業界では常にエンジニア不足が叫ばれています。昨今のAIやデータサイエンス領域も例外ではなく、人材育成が課題となっています。新型コロナウイルスによる影響はあれど、高いスキルを持つITエンジニアへの高い需要は変わりません。一方で企業の新卒採用では他業種との競合があり、中途採用にも限界があります。

 そこで人材採用の視点を広げてみましょう。日本の歴史を振りかえると、大陸から技術や制度を学ぶ遣唐使や遣隋使に始まり、戦国時代の鉄砲伝来、明治の文明開化や戦後の経済復興において、重要な役割を果たした人々がいます。

 われわれは外国人の助力により、新しいものを取り込んで普及させてきました。これはAIやデータサイエンスを始めとする、IT分野においても同様です。

連載:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!

マスク

自称“AI(人工知能)ベンチャーで働きながら、情報発信するマスクマン”こと、マスクド・アナライズさんが、AIをめぐる現状について、たっぷりの愛情とちょっぴり刺激的な毒を織り交ぜてお伝えします。今後は、AI情報だけでなくIT業界全般に役立つ情報もお届けしていきます。

お問い合わせのメールは info@maskedanl.com まで。Twitter:@maskedanl

(編集:村上万純)


外国人エンジニア採用を考える

 日本企業が外国人エンジニアを採用する背景には、日本国内だけでは採用できる人材が限られる点があります。一方で母国以外で働く場所を求める理系学生やITエンジニアも多く、米Googleや米Microsoftではインド出身のエンジニアがCEOを務めています。

 IT企業は、日本人学生に入社してもらう方法を考えるばかりでなく、外国の人材を採用する方法を考えるのも有効です。しかしながら、日本で活躍する外国人エンジニアはまだ少なく、彼らに活躍してもらうためのノウハウも不足しています。

 そこで、現代日本において助っ人の外国人が活躍する他業種の事例を参考にしましょう。身近でありながら長い歴史を持つ、外国人が活躍する分野といえばプロ野球しかありません。プロ野球の助っ人外国人を振り返りながら、IT業界における外国人エンジニアの採用と育成を考えましょう。

 本記事では昨今の球界事情に詳しくない方に配慮して、漫画「かっとばせ!キヨハラくん」(小学館)が連載されていた1990年前後のパシフィック・リーグ(パ・リーグ)をベースとします。当時のパ・リーグは人気がなく、球団はドラフトで指名した新人選手に入団拒否されていた他、払える年俸にも限界があるため他球団から実績のある選手を獲得できませんでした。

 そこで大活躍したのが、助っ人外国人です。「カリブの怪人」「AKD砲」として恐れられたオレステス・デストラーデ、外国人選手初の三冠王を獲得し場外ホームランを連発する姿をテレビで見たお年寄りが心臓発作を起こしたブーマー・ウェルズ、リーグ優勝の立役者で東京ドームの天井スピーカーにホームランボールを直撃させたラルフ・ブライアントなど、往年の名選手が挙がります。

助っ人外国人の歴史

 助っ人外国人の活躍に思いをはせながら、まずは採用について考えます。

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