[パリ 28日 ロイター] - フランスのフィリップ首相は28日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制する制限措置の緩和第2弾を発表した。6月2日からレストランやバー、カフェなどを再開する。

また来週以降、自宅から100キロ圏内に制限している移動規制を解除するほか、ビーチや公園も再開する。

フィリップ首相は、新型コロナの感染拡大は予想を上回るペースで鈍化しており、パリはもはや感染拡大が深刻な「レッドゾーン」ではないと指摘。ただ危険はまだ潜んでおり、現状に満足する余裕はないと述べた。パリ周辺地域については、現在「オレンジゾーン」であり、制限緩和にはより慎重になるとした。

全国のレストラン、カフェ、バーはテーブル間を最低でも1メートル離す必要があるほか、従業員は全員マスクの着用が義務付けられる。オレンジゾーンではテラス席のみ利用可能となる。

夏の行楽シーズンを控え、隔離ルールがないシェンゲン圏内の国境規制も6月15日から解除される見通し。

一方、10人を超える公共の場での集会は引き続き禁止されるほか、主要なスポーツイベントも少なくとも6月21日まで中止される。

映画館は感染第2波がなければ6月22日から再開を認める。

ベラン保健相は、1人の感染者が新たに何人に感染させるかを示す「基本再生産数」がほぼ全国的に1を下回っており、流行が終息しつつあると述べた。

フィリップ首相によると、感染者との接触を特定できる接触追跡アプリが6月2日に稼働する予定。

フランスの新型コロナ感染症による死者は2万8600人以上。ただ1日当たりの増加数は、28日まで8日連続で100人を下回っている。

感染者数は新たな追跡システムからのデータを含めたことなどにより、3325人増の14万9071人となった