[北京 28日 ロイター] - 中国の李克強首相は28日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕に当たって記者会見した。新型コロナウイルス流行で落ち込んだ景気の回復に向け刺激策を打ち出す余地はあるが、大規模な措置は想定していないと述べた。

湖北省武漢が発生源になった新型コロナの影響から中国経済は回復しつつあるが、第1・四半期の成長率は前年同期比6.8%減少し、四半期の統計でさかのぼれる1992年以降で初のマイナスとなった。また、今回の全人代でも19年ぶりに成長目標の公表を見送った。

李首相は新型コロナ流行を制御できたとし、今年もプラスの経済成長達成に努めると表明。政府は必要に応じて支援するとし、「政策余地は備えている。タイムリーに新たな政策を打ち出すことは可能で、中国経済の安定運営を維持するためにためらわない」と強調した。

一方で、経済成長率を重要視していることに変わりはないと述べた。また中国は大規模な刺激策を必要としないものの、「例外的な状況で例外的な措置が必要となるため」流動性は増加すると指摘した。

また経済政策について、雇用安定と中小企業の存続をなど6つの優先課題に注力していると述べた。

政府は先に、2020年の財政赤字見通しを対GDP比で少なくとも3.6%とし、昨年の2.8%から引き上げた。ロイターの試算によると、政府活動報告で打ち出された財政刺激策の規模はGDPの約4.1%に相当する。

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