[東京 28日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>など自動車メーカー8社が28日発表した2020年4月の世界生産台数は、前年同月比60.5%減の91万6255台だった。

このうち国内は46.7%減の41万2587台。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自宅待機などの緊急対策が実施された地域にある生産拠点が全面停止に追い込まれたほか、需要減退に対応するための生産調整などで、生産台数は大きく減少した。一方、中国での生産台数は、前年同月と変わらない水準にまで回復したメーカーもある。

トヨタの世界生産は前年同月比50.8%減の37万9093台だった。全ての工場が停止していた北米では1台も生産されなかった。同地域の工場は、5月11日から段階的に稼働再開している。国内生産は25.9%減の21万8054台。5工場7ラインで、4月3日から1週間ほど生産調整を実施していた。3月30日までに全工場の稼働を順次再開した中国では、27.8%増の14万3135台となった。

ホンダ<7267.T>の世界生産は52%減の21万2747台だった。直近20年における月ベースの減少幅としては、東日本大震災が発生した2011年4月(52.9%減)に次ぐ2番目。工場が停止していた北米と欧州では生産できなかった。中国では、21.1%増の15万2447台となり、4月としては過去最高の生産台数を記録。5月の需要増加を見込み、生産量を増やした。

日産自動車<7201.T>は、62.4%減の15万0388台だった。工場が停止していた米国、英国、スペインでは1台も生産されなかった。国内も、自動車市場の需要減退に対応するための生産調整で、61.8%減の2万1669台となった。中国では、全生産台数の80%以上を占める12万2580台が生産された。

マツダ<7261.T>の世界生産は69.9%減の3万5877台で、全ての月で見てもデータ公表を開始した2005年以降最低の数字となった。国内における生産台数も、1979年の公表開始以降最も少ない1万1706台にとどまった。国内やタイ、メキシコでの工場停止が生産台数を大きく引き下げた。

三菱自動車<7211.T>の世界生産は、66.2%減の3万4467台。世界各地域で生産が減少し、前年同月を大幅に下回った。SUBARU<7270.T>、スズキ<7269.T>、ダイハツ工業も、それぞれ50%以上落ち込んだ。

4月は、中国を除く世界中の工場が稼働を停止していた。5月に入り再開の動きは見られたものの、生産調整を継続している工場は少なくない。5月の生産台数も減少することが想定される。

*内容を追加して再送します。

(新田裕貴)