[27日 ロイター] - 米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した米レンタカー大手、ハーツ・グローバル・ホールディングスの株式を、米富豪投資家カール・アイカーン氏がすべて売却したことが、27日の当局への届け出書類で明らかになった。

アイカーン氏はこれまでハーツ株の39%近くを保有する筆頭株主で、3人の代表を同社の取締役会に送り込んでいた。同氏は26日、1株当たり0.72ドルで5534万株すべてを売却した。

ハーツの経営は新型コロナウイルス感染拡大による移動制限で打撃を被り、22日に破産法の適用を申請。アイカーン氏がどう対応するかを巡り、市場では思惑が交錯していた。

同氏は届け出書類で、ハーツ株で「多額の損失」を被ったとしたが、額は明らかにしていない。またハーツは将来的に「素晴らしい企業」になり得るとして、再建を注視していく意向を示した。

アイカーン氏は2016年にハーツ株を取得し、取締役を派遣した。19年末時点でハーツ株保有分の価値は7億ドル近かった。