新着Pick
633Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
香港は、中国にとって、「金の卵を産むニワトリ」のはずでした。香港の自治を維持しておけば、世界的な金融センターとして投資が集まり、その投資は中国全体に融資されて、経済成長に大きく資する、という価値があるはずでした。実際、そうやって、深圳も、もっと大きくいえば上海や広州もここまで発展してきました。
 その「金の卵を産むニワトリ」を、中国政府はなぜ今、絞め殺すのか、ここがわかりにくいところです。確かに米中対立は深刻化しており、ファウェイ社などにあの手この手の制裁を仕掛け、中国の主要な企業を潰そうとしています。新型コロナウィルスの感染については、米国政府の要人が、中国が悪者であるかのような発言を執拗に繰り返しました。
 しかし、だからといって、香港が血祭りに上げられる、というのは、理屈に合わないし、中国の利益になるとも思えません。香港の自治と経済を絞め殺しても、実のところ、米国政府には何の打撃にもならないので、米国への報復にはなりえません。
 筋の通る理由を考えてみると、
① 中国政府は香港は不要になったと考えている
② 香港の自治というのは、経済を犠牲にしてでも潰さなければいけないほど、中国政府にとって危険なものである
 といったところが考えられます。
 ①で、香港を経由しなくても、たとえば上海の株式市場などに十分な投資が世界中から集まる、と考えているなら、楽観的に過ぎるでしょう。
 ②で、香港の自治が、中国共産党の統治全体を脅かすと考えているなら、それは自信のなさの現れでしょう。
 とにかく、中国政府は、経済的な利益にはならないことを、イデオロギー、もしくは統治体制の維持のために強行しようとしているといえます。これは、習近平体制の特徴であるともいえます。
 元来、中国政府としては、香港のような自治などなくても豊かになれる、上海や北京を見ればいい、と、実例を見せることで、香港や台湾、諸外国に共産党の統治体制の優位を示すのが、最も賢いやり方のはずでした。そのやり方はもうできない、と考えているならば、むしろ守りに入ったということでしょう。
中国から見る香港の自由は、アメリカをサポートしていく自由であり、アメリカのためなら、暴動もいい、デモ行進もいい、大陸の客を殴っていい、大陸の客をののしってもいい。
逆に香港にいるアメリカ人に対して、イラク侵攻などを口実にして、アメリカの企業に乱入して、アメリカ人をののしり、殴る、となると、それは「香港の自由」と称するだろうか。
香港については、一年ほど前にデモが頻発する理由について図解しました。あの時から、さらに事態は悪化しています。
https://newspicks.com/news/3993421
香港が香港でなくなれば、輝きを失ってしまうでしょう。香港資産は海外へ流出してしまいます。中国はそれがわかっているのでしょうか。法律と国家権力で抑えれば抑えるよど、反発するエネルギーは増えます。
遊川先生による非常に分かりやすい解説でした。2030−35年に中国と香港の共生に新しい変化が出てくるという指摘に関心を持ちました。具体的にどのようになるのか、関心をもって見守って行きたいポイントです。

話しは逸れますが、3年ほど前でしょうか、日中関係が接近し、中国もテックブームでビジネスが大きな盛り上がりを見せていた頃に香港を訪問しました。古くて新しい議論として、香港かシンガポールかという論点があります。当時の訪問先は、おしなべて、「シンガポールが奪いそうになっていたポジションを香港が取り戻した」という雰囲気で、「シンガポールなの、ふーん」と、まるでシンガポール代表のように扱う人もいたことの違和感は今でもよく覚えています。

あれって何でしょうね・・・ 特に話し切り出す前から、香港ですよこれからは、という雰囲気。何をマウンティングしようとしていたのか。

この、よく比較される二つの都市(シンガポールは国ですが)は、資産の置き場所という意味ではどちらを選ぶか、という視点はあるものの、全体で見ると安易な比較ができません。
アジアの金融センターとしての香港はこのままでは機能しなくなる恐れがある。
この連載について
今、知りたい注目のニュースの真相から全体像まで、やさしく徹底解説。プロピッカーや有識者による対談、オピニオン寄稿、直撃インタビューなどでお届けする、NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。