[東京 27日 ロイター] - 電通グループ<4324.T>は27日、2020年12月期の業績(国際会計基準)予想を取り下げると発表した。通期連結業績予想の前提となった事業環境とは大きく異なり、新型コロナウイルスの影響で「不確実性は高まる一方」と判断した。20年度は大幅な収益減少をリスクシナリオとして想定するという。

リフィニティブがまとめたアナリスト9人による純利益予想は440億円。

コロナの影響は3月後半からで、1―3月期は「さほど大きくない」とし、第2四半期が年間を通して最も厳しい四半期と予想している。対策として、20年度に当初計画から7%のコスト削減を目指す。一時的な報酬の減額や採用抑制のほか、M&A(合併・買収)も第2四半期末まで凍結する。

配当予想は中間・期末に1株あたり47.5円(年間95円)で変更しなかった。現預金2598億円と未使用の信用枠3260億円があるとし「バランスシートは健全で十分な資金流動性を確保している」としている。

20年1ー3月期の業績は、純損益が154億円の黒字(前年同期は26億円の赤字)だった。売上高は前年同期比0.9%増の2527億円で、国内の事業区分別では、東京オリンピック・パラリンピック関連イベントを含む「マーケティング・プロモーション」が前年同期比で2ケタ増となった一方、新聞、雑誌向け広告が2ケタ減となった。営業利益は同165.7%増の247億円だった。

(平田紀之、新田裕貴)