[東京/パリ 27日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>と仏ルノー<RENA.PA>、三菱自動車<7211.T>の3社連合(アライアンス)は27日、新たな戦略を発表する。3社が前回2017年9月に発表した戦略では2022年までに世界最大の自動車メーカーになることが目標だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける中、今回は生き残りをかけた戦略となる。

ある関係筋は発表を前に、ロイターに対し「再編や固定費削減、プロジェクトの削減があるだろう」と語った。

3社は、カルロス・ゴーン日産前会長の逮捕・解任を受けてパートナーシップの再構築に取り組んでいたが、新型コロナ危機に見舞われ、いずれも利益が落ち込んでいる。ルノーと日産は週内に個別の事業リストラ計画を発表する予定だ。

新たな戦略は組織的な事業分担が柱となる見通しで、特定の車種や地域で1社が主導し、他社が追随する「リーダー・フォロワー」と呼ばれるアプローチが取られるようだ。

ルノーに近い関係筋は「明確なリーダー・フォロワー・スキームと企業間の補完性に基づく計画で、積極的な取り組みになる」と述べた。

3社は数年にわたりコスト分担や資本構造を巡って対立しており、部品の共同調達以外、アライアンスの世界規模という競争上の優位性をほとんど活用できていない。

ルノーの株式15%をすでに保有する仏政府は、アライアンスの「物言う」パートナーになるだろう。

ルノーは、新型コロナ危機に対応するため、50億ユーロ(55億ドル)の政府保証融資を要請している。その見返りに仏政府はルノーが電気自動車や先端バッテリーなどフランス国内の雇用を支援する技術に投資することを求めている。

このほか、アライアンスを再構築するうえで、独ダイムラー<DAIGn.DE>をどう位置づけるか、という問題もある。ダイムラーは2010年に日産・ルノーと提携。バンや小型エンジン、ピックアップトラックのコスト削減を約束したが、共同事業はほとんど行われていない。

ゴーン氏は日産とルノーの経営統合を目指していたが、アライアンスの関係筋によると、本格的な統合に向けた協議は当面棚上げされている。