【5月26日 AFP】香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は26日、中国政府が制定を目指す「国家安全法」について、「一握りの違反者のみを対象としている」と述べ、同法案により広がった外国企業や投資家の懸念の払拭(ふっしょく)に努めた。

 中国・全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)で「国家安全法」の審議が始まった22日、香港株式市場は2015年以来となる大幅下落となったが、林鄭氏は報道陣に対し、香港の自由が危険にさらされるという懸念は「まったく根拠がない」と指摘。

 また「自由は保障され、香港の活気のほか、法の支配や司法の独立、人々が享受しているさまざまな権利や自由といった革新的価値はこれからも存在し続ける」と述べた。

 さらに、同法案は「一握りの違反者を対象にしているにすぎない」とし、「法を順守し、平和を愛する大多数の住民を保護するものだ」と強調した。

 一方で、中国本土の警察は香港の抗議デモ参加者を逮捕できるようになるのかと記者から質問された際には「それはあなたの思い過ごしだ」と一蹴。「合法的に行われれば」反政府デモは今後も許可されるとしたが、国家安全法の下ではどのような主張が違法と見なされるのかについては明確にしなかった。(c)AFP