【実録】医療ガウンを作る縫製工場で、今何が起きているのか

2020/5/28
群馬県桐生市は、日本有数の繊維の街だ。街の至る所に繊維関連の企業があり、伝統産業として桐生市の発展を支えてきた。
この街で縫製工場の息子として生まれ、コム・デ・ギャルソンにて、JUNYA WATANABEチーフパタンナーを務め、イオンのプライベートブランドのチーフクリエイティブデザイナーなどを務めた、ハイブランドから、大量生産のアパレル製造までを知る男がいる。
木島広。
2015年、地元・桐生に戻り、縫製工場や、生地メーカー、物流倉庫などをネットワーク化し、服を少量でタイムリーに生産するフクルを起業した。
縫製工場は今、新型コロナ感染症予防のためのマスクや医療用ガウンの製造を担うことで、再びフォーカスが当たっている。
フクルも提携工場と連携して厚生労働省から医療用ガウンの製造を受託したり、寄付で医療機関に届けたりする取り組みをスタートさせている。
縫製の現場から見た日本のアパレル産業の未来について、聞いた。

秋冬シーズンの仕事が来ない

──医療ガウンの製作はどのような経緯で始められたのですか。