僕らが団体を越えて #働くを取り戻す ために歩みをともにした理由 | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

僕らが団体を越えて #働くを取り戻す ために歩みをともにした理由

 

なぜ3団体で行動しようとしたのか

 

新型コロナウィルスから、本当にたくさんの変化が起こりました。自分のこと、家族のこと、そして認定NPO法人育て上げネットのこと。4月以降、多くのNPO経営者とグループで、個別で話をしました。活動領域やビジネスモデルの違いによって、それぞれ影響の出方は異なるのですが、誰もが正解のない環境で意思決定を繰り返しています。

 

象徴的なのは、団体の経営と同じ、それ以上に、普段かかわっているひとたちとのつながりを途切れさせないよう、現況下で何ができるのかを手探りでやっています。特に職員の雇用を守る、働き方を変える、それを支える資金繰りについては、大きな資金を借り入れるかどうか。連帯保証人になる経営者という立場を持った個人の不安や恐怖と戦いながら。

 

多くの企業や財団が寄付を集め、NPO活動を支えようとしてくださっています。行政もNPO活動を止めないよう、さまざまな打ち手を検討、実施してくださっています。

 

育て上げネットでも、コロナ前の日常でかかわりと持っていた若者、子どもたちとのつながりを切らず、必要な支援を継続していく。コロナ中に生活や心身が脅かされたひとたちを新たに支えていきたい。そのために制度活用を検討し、助成金に申請をしています。

 

多くの仲間が寄付を集め、クラウドファンディングを立ち上げました。個人的にも応援させていただいておりますが、育て上げネットとしてはどうしていくのがいいのか、を模索し続けていました。

 

特定のエリア、特定のひとたちだけが影響を受けたのではなく、誰もが何かしらの変化を迫られました。そのとき自分たちの団体活動だけの存続や継続に留まらず、志と活動領域を同じくする団体と一緒になって行動すべきときではないか。そう思うようになりました。

 

寄付という文脈においては、「若者」や「働く」はとてもわかりづらい領域です。日常から寄付をしたり、NPO活動に関心があるひとでも、”若者を支援する”ということに、スッと心が動くわけではないと思います。若者は自分で思考し、自分で意思決定ができる。学びも「働く」も選択できる。負荷の高い行動に耐えられる心身の健康を保っている。

 

だから、「支援する」対象としてはいかがなものか。

 

ここに対して、若者を支援する分野は広く多くのひとに理解をしていただき、その思考や行動の変容を促す。寄付だけでなく、実際に手足を動かして若者を支えていく、というところまでなかなか到達できていません。

 

微力を自覚しているからこそ、小さな団体で声をあげるのではなく、複数の団体が代表も職員もひとつのチームになって、現状で働くことが困難になった、より困難になった若者を支える、一緒に行動してくれるひとたちを募ることに至りました。

 

ハッシュタグ #働くを取り戻す に込めた想い

私たちは、これから働いていこう、活動をしていこうとする若者で、私たちのことを頼ってくれる若者たちを支えてきました。社会からは見えづらい生きづらさ、働きづらさを持っている若者も多く、丁寧な関係作りと伴走をしています。

 

そして、今回、新型コロナウィルスの発生により、生きづらい若者のみならず、これまで働いていた若者でも、シフトの減少、休業、内定取り消し、企業の倒産などによって、「働く」を失い、失いつつあります。

 

「働く」を失った若者たちは、これからどうしていこうとしているのでしょうか。そこで私たちはいくつかの仮説を立てました。

 

1. 仕事を失った若者は、目の前の生活費やメンタルの悪化と孤立を同時に背負っているのではないか

2. 収入を絶たれた若者は、できるだけ早く「働く」を求めるのではないか

3. すぐに生活が破綻しない若者は、改めて自分の「働く」を模索するのではないか

 

それに対して、私たちは3団体の知見や経験を活かしてひとりでも多くの若者が、安定した生活を確保し、 #働くを取り戻す ために貢献していきたいという想いでつながりました。

 

「働き方」の選択肢を若者に、若者と

私たちは、「働く」の選択肢で多くの若者が選択する就職することだけにフォーカスしません。就職を希望する若者には就職を実現できる機会を提供します。その一方、いますぐ就職が難しい若者もいます。
 
例えば、お住まいの地域で求人がない。さまざまな理由により、一か月間安定して職場で働くことが難しい。外出自粛の要請が叫ばれるなかで、気持ちの不安がとても強くなってしまう。その結果、就職して新しい職場を見つけても、うまくやっていけないのではないかという気持ち。
 
私たちが就職だけをゴールに置いてしまえば、求人のない地域の若者には引っ越しを。病気を患っていれば治療を。メンタルが不安定であれば安定を。つまり、新しい職場と出会うため、雇われるために、いまの生きづらさ、働きづらさに対して改善モデルを突き付けてしまうだけになってしまいます。
 
しかし、「働く」ことはもっと広い範囲をカバーしています。いまできること、ちょっとやってみたいことを、さまざまな知識やテクノロジーを使って、少額でも、収入がすぐに入らなくても、「働く」を実現することができます。それは前に進んでいる、新しいチャレンジをしている自信や自己肯定感、ケアにもつながります。
 
私たちは、さまざまな「働く」が社会には存在し、「働き方」の選択肢をたくさん若者に提示、提供したいと思っています。そして、私たちも若者から学び、一緒に新しい「働く」を考えたいと思っています。
 

最後にお願い

本日、21:00から認定NPO法人D×Pの今井代表と、キズキグループの安田代表と「#働くを取り戻す - コロナ時代の若者応援プロジェクトについて話します!」オンラインイベントを開催いたします。もしお時間あればお気軽にご参加ください。
 
そして、本プロジェクトを応援してください!!ご寄付いただけたら嬉しいですし、情報の共有・拡散してくださると、多くのひとに私たちのチャレンジを知っていただけるので、大変助かります。
 

【#働くを取り戻す】コロナ時代の若者応援プロジェクト

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