プリンスもドーミーも赤字。数字で読む「ホテル業界のこれから」

2020/5/26
インバウンド(訪日外国人旅行)の追い風で成長が続いてきた国内のホテル業界が、一転して危機的な状況に陥っている。
プリンスホテルや帝国ホテル、ホテル椿山荘東京などの有名ホテルだけでなく、ドーミーインやワシントンホテルといったビジネスホテルも、運営会社の1〜3月の業績が軒並み赤字に転落した。
4月に入ってもホテル稼働率の低迷が続いており、運営会社の経営は今、岐路に立たされている。
安倍晋三首相は5月25日、首都圏の1都3県と北海道も緊急事態宣言を解除することを決め、今後国内の個人旅行が回復する可能性も出てきた。
だが、大きなシェアを占めていたインバウンドや法人顧客の需要減の影響をどうカバーしていくのか、課題も多い。
ホテルを運営する大手企業が発表した最新決算や速報データなどから、ホテル業界が置かれている「現状」と「これから」を分析する。

稼働率が激減「ハイアットは4%」

新型コロナウイルスの影響は、国内のホテル業界にどう波及してきたのか。
まず、2月から、中国や香港を中心にインバウンド顧客が急減したことで、各ホテルの稼働率が減少し始めた。