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【ルポ】経済再開。「ニューノーマル」に踏み出したマレーシア

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    まず、マレーシアでは、5月半ば以降、新規に確認された感染者が増え続けています。5月10日あたりには30人程度であった毎日の新規感染者数は、15日を過ぎると毎日200人以上に跳ね上がりました。
     なぜかというと、外国人を検査するようになったからです。人口3100万人のマレーシアには、500万人程度の外国人労働者がいます。5月はじめまで、マレーシア国民の間のクラスターを追跡するのに手一杯でした。なお、マレーシアのこれまでの累積の感染者7400人のうち、半分は「タブリーグ」というイスラームのグループの集会から広まっていったクラスターです。「タブリーグ」というのは、南アジアを中心に世界に4千万人はいるといわれますが、ふだんは近所の仲間と生活をお互いに律して、長期の休みを取っては世界中を旅行しては交流して、信仰を語り合う、というだけの活動のグループです。彼らがしていたのは、「大規模礼拝」というより、2月末からの5日間に渡る研修交流合宿です。密集して雑魚寝して、語り合っていました。その後、地元に帰って、クラスターを形成しました。タブリーグは、パキスタン、インド、バングラデシュやインドでも、大規模集会をやっては地元に帰ることで、各地に何千ものクラスターをつくりました。
     5月になって、感染者数が落ち着いてきたので、外国人労働者を検査したところ、果たして、工場や建設現場丸ごと、あるいは集合住宅丸ごとなどで、数百人単位の感染者が相次いで確認され、現在も増え続けています。ミャンマー人、バングラデシュ人、ネパール人などの外国人労働者が捕まっては外国人収容所に送られていますが、500万人いるうちのまだ2000人程度ですから、とても追いつきません。5月25日の新規感染確認者は172人でしたが、うち159人は外国人で、112人は外国人収容所で、44人は1つの工事現場で確認されました。
     シンガポールは居住者人口560万人、国籍保有者250万人、外国人労働者300万人ですが、4月から外国人労働者の間で感染が毎日1000人以上確認されるようになったのとよく似ています。外国人労働者がいないと回らない経済の構造も、両国はよく似ています。ただし、マレーシアの場合は外国人労働者がはるかに管理・把握されておらず、不法滞在者が300万人程度なので、シンガポールほど徹底した隔離はできないでしょう。


  • 記者、ディレクター

    マレーシアでは今週末、1ヶ月に及ぶラマダン(断食月)が明け、ハリラヤと呼ばれる一年に一度の盛大な祭りの日を迎えました。
    例年であれば故郷に帰り、大家族や親族が一堂に介してマレー風のご馳走を食べ、多くの人を自宅に招いて旧交を温めるオープンハウスを催すのが習わしです。
    しかし、マレーシア政府は州を跨いだ移動を原則禁じており、今年のハリラヤは「Stay home」でモスクへの礼拝も避け、自宅で静かに過ごすことが政府により推奨されました。

    多くのマレーシア人家族はzoomを使って離れ離れに暮らす親族同士を繋ぎ、フィジカルコンタクトを避けながらテクノロジーを駆使して、繋がりを密にする工夫を凝らしていたほか、屋台などが立ち並ぶラマダンバザールも「E-Ramadan」とオンライン化され、既存のeコマースプラットフォームだけでなく、個人がwhatsappなどのSNSを使って自慢の手作り菓子をラッピングして売る動きが活発化するなど、東南アジアではデジタルへの壁が若者世代を中心に非常に低いことを、危機下でより強く感じさせられます。

    一方で、隣国シンガポールと同様に、ここで最近で顕在化しているのは、バングラデシュやミャンマーなどからの外国人労働者の感染拡大です。
    狭いアパートで集団で暮らす外国人労働者らの間で、感染のスピードは徐々に上がっており、建設業や卸売り市場、飲食業に至るまで、多くの分野で外国人労働者の人手に頼る構造を見直す動きも出始めています。外国人労働者の雇用から、地元のマレーシア人の若者の雇用に切り替える動きなども徐々に出始めており、生活様式の「ニューノーマル」だけでなく、雇用形態にも新たな地殻変動が地味に起きる気配が漂い始めています。


  • NewsPicks 副編集長/映像ディレクター・プロデューサー

    東京の緊急事態宣言が解除され、解除後の社会の姿をどうイメージするか。もちろん各国、各地域で全く事情は違うものですが、大都市クアラルンプールの今の風景を見ておくことには意味があると感じます。マレーシア在住のジャーナリスト、海野麻実さんによるレポート動画です。

    イスラム教徒の家庭の様子をここまで見せてくれることは珍しいとのこと。こちらも併せてご覧ください。

    (昨晩発表されたマレーシア新規感染者数は久々の3桁。これをどう解釈するかは、海野さんのコメントが参考になりそうです。 追記:塩崎先生が詳しく解説して下さっています)


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