【最新決算】アリババが「30%成長でも喜べない」理由
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アリババの通期決算をまとめました。
コロナの逆風の中の四半期でも売上を22%増、年間では35%伸ばしてくる所にアリババの強さを感じます。年間総流通額も約100兆円を突破し成長は続いています。課題は中心がECばかりといった所でしょうか。
今回の新型コロナウイルスの影響で、オフィス用チャットツールのDingTalkが大きく伸びてきました。テンセントのメッセージングアプリになかなか勝てなかったアリババですが、オフィスツールでは勝てるのか、今後の動向が気になります。
ちなみに、恥ずかしながらアリババの香港とNYSEでの株価が違って混乱していました。NYSEに上場しているアリババのADR(米国預託証券)は、1ADR=8株です。香港は一株あたりの株価。ですから、香港の株価の8倍がNYSEでのアリババの株価とほぼ同じになっています。
米中対立はアリババの株価にも影響しかねません。アリババの株価はソフトバンクグループの業績に直結するので、その意味でも要注目です。
追記
PDDのキャッシュバーン戦略は凄まじいですよね。私も持続可能かかなり疑問を感じています。売上7.6兆円に対し、純利益は2.2兆円。立派な数字です。中国国内のアクティブユーザー数は7.26億人。一人当たり年間1万円強を購入していることに。中国14億人。その半数はまだ未開拓。まだ成長は続くでしょう。
グローバルのアクティブユーザー数は9.6億人。アリババグループ として2032年までに20億人という目標を掲げています。グローバルで巨大なアリババ経済圏は築けるのか、Amazonに勝てるのか、気になります。年間流通総額100兆円超え。直接の比較は意味ないですが、日本の年間家計支出総額が約300兆円、年間報酬支払総額が約200兆円ですから、あらためてその規模のすごさを実感します。
仔細にみるとニューリテール事業とクラウド事業が好調な一方で、ピンドォドォにおされてタオバオの伸びが急激に鈍化していたり、コロナの影響で保有している上場株式の下落が影響している。それでも全体的に、1-3月の中国経済のあの状況下でこの業績であれば、やはりアリババの力は底堅いと言うべきでしょうか。
ジャック・マーが取締役を退任した後も残る「アリババパートナー制度」は、日本であれば院政や系列などと揶揄されるものですし、人事権だけ残すというのはガバナンス上も望ましくないと一般的に言われるもの。「ファミリー」を大事にある中国独特の文化が表れている気がします。
Appleのように、完全に新経営陣になって、カリスマなき後も変わらず成長を続けることができるのか、引き続き注目。