金正恩氏が「核抑止力強化」決定 北で中央軍事委…対米示威を本格化

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• 小原 凡司

  笹川平和財団 上席研究員

  ・2020年05月24日

  権威主義国家では、自らの権威を保つことが最優先です。新型コロナウイルス感染拡大によって経済にダメージを受け、社会生活を抑え込まれていることもあって、国民には不満が溜まっているでしょう。
  北朝鮮では、新型コロナウイルス感染拡大以前から、軍内でも食糧不足が伝えられるなど、軍人も困窮してるようです。コロナ禍の影響で、軍人もさらに経済的に困窮を深めていると考えられます。
  権威主義国家の指導者にとって、武器を持っている軍部の反乱ほど恐ろしいものはありません。軍部の引き締めのためにも、国内に権威を示すためにも、金正恩委員長は、対米ナショナリズムとそのための軍事力誇示に頼らざるを得なくなっているのだと考えられます。
  権威主義国家の国内が不安定になるときほど、敵視する国との軍事的緊張が高まり、周辺の安全保障環境を悪化させることはありません。