【高濱正伸】しんどい在宅教育を乗り切る「5つのコツ」

2020/5/23
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、3月2日より、全国の小中学校、高等学校、特別支援学校で休校措置が取られた。
そこから早3カ月弱。多くの家庭が「在宅教育」を余儀なくされる中、保護者からは、仕事と子育ての両立に悩む声も頻繁に聞かれるようになった。
この状況をうまく乗り切るためにはどうしたらいいのか。リアルタイムで保護者からの悩みを耳にしている、花まる学習会代表の高濱正伸氏が「頑張るお父さん、お母さん」へのメッセージを発信する。

ほとんどの学校は「プリント配布のみ」

今、多くの保護者や子供たちが「在宅教育」を余儀なくされています。
それを受けて、NewsPicksをはじめとするビジネスメディアでは、「オンライン授業の是非」について活発に議論がなされています。
しかし実は、オンライン授業が実施されている学校はほんの一握りです。ある教育系メディアが実施したアンケートによると、全国の学校のうちオンライン授業が実施されているのはわずかに1割。9割は「プリント等、家庭学習課題の配布」にとどまっています。
写真:iStock/OkinawaPottery
この数字は、私が学習塾「花まる学習会」の現場で感じる肌感覚とも合致しており、塾には連日、保護者の方から自宅学習に関する悩みが寄せられています。
悩みの多くは、「子供が勉強をしない」というもの。ただでさえ面白くないプリント学習を、無理に子供にやらせようとして、疲弊してしまう保護者が相次いでいます。
子育てや教育は、平時でさえエネルギーを要しますから、在宅で仕事をしながら子供の教育にも気を配るのは、本当に大変なことだと思います。
5月末から6月にかけて、各都道府県が続々と学校再開を予定しています。しかしコロナ流行の第二波、第三波はいつ起きるかわからず、ウイルスに対するワクチンや治療方法が確立するまでは、私たちは在宅教育に対する備えをしておく必要があります。
そこで本稿では、保護者の方々に、在宅教育のちょっとしたコツをお伝えしたいと思います。

親が教えていいもの、いけないもの