[サンフランシスコ 21日 ロイター] - 米フェイスブック<FB.O>のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は21日、新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(封鎖)が緩和された後も在宅勤務を認め、制度化する方針を明らかにした。

シリコンバレーに集まっていたハイテク人材の分散が、一段と進みそうだ。

ザッカーバーグ氏は、在宅勤務を前提とする採用を7月から積極的に開始すると発表。今後5─10年で約半数の従業員が、同社のオフィス以外で勤務するようになると見込んだ。

現在の従業員については、職務や業務実績を基に慎重に検討する期間を設け、来年1月1日まで勤務場所の変更を受け付けるという。

米ツイッター<TWTR.N>も今月、一部の従業員に対し、期限を定めずに在宅業務を行うことを認めると発表している。[nL4N2CU42B]

5万人近い従業員を抱えるフェイスブックが今回、コロナ危機後の働き方として新たな雇用制度を示したことは、シリコンバレーに大きな影響を与える可能性がある。

フェイスブックは、年内にエンジニアなど1万人を採用する計画を維持する方針だ。同社は、アトランタ、ダラス、デンバーの3カ所に「拠点」を新設する計画で、周辺で在宅勤務する従業員は必要に応じて拠点に集まることが可能だとした。

ザッカーバーグ氏はこの拠点について、コミュニティーを形成するための「物理的空間」を作る予定だが、「必ずしもオフィスではない」と説明。数百人規模のエンジニアの採用に当たり、採用活動の拠点が欲しいと考えたと述べた。

ザッカーバーグ氏は、フェイスブック本社を含めた現在のオフィスを維持する方針を示した。

また、在宅勤務にシフトする上で節約されるコストと増えるコストが、全体としてどうなるかは不明だと説明。シリコンバレー以外で働く場合は、シリコンバレーの賃金水準は必ずしも適用されず、勤務地域ごとに見直されるとした。

ザッカーバーグ氏によると、社内調査の結果、約60%の従業員が自宅などオフィス以外とオフィスの両方での勤務が可能な制度を望んでおり、そのうち半数弱が可能であればシリコンバレー以外での勤務を望んだという。