[ワシントン 19日 ロイター] - 世界銀行のマルパス総裁は19日、今年の世界の経済成長率がマイナス5%になる可能性があるとの見解を示した。

総裁は民間債権者が最貧国の債務免除に消極的だと批判、一部の途上国が格付けを過度に懸念しているとの見方も示した。

総裁は会見で、途上国14カ国が2国間の公的債務の返済停止案を受け入れたと表明。さらに23カ国が返済停止を求めるとの見通しを示した。

20カ国・地域(G20)は途上国の債務返済を一時的に停止する措置で合意したが、一部の途上国は格付けや将来の資金調達への影響を懸念して、返済停止に慎重な姿勢を示している。

総裁は、一部の国が格付けの「重要性を過大評価」しているとし、現在の状況では全体の財源を重視することが望ましいと発言。債務免除を要請すれば財源が増える可能性があると指摘した。

総裁は、中国の習近平国家主席が債務免除を支持したことを歓迎する一方、民間債権者の「受け入れペースが鈍いことにやや失望している」とし「民間債権者は総じて最貧国からも依然として返済を受けている」と指摘した。

総裁によると、世銀は途上国100カ国で新型コロナウイルス関連の緊急支援策を開始しており、これまでのところ約55億ドルの低利融資・贈与が決まった。

総裁は新型コロナの世界的流行とそれに伴うロックダウン(都市封鎖)で、最大6000万人が極度の貧困状態に陥る恐れがあるとの見方も示した。