【独占】なぜ、コロナ対応した病院が「赤字」になるのか
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日本の病院は戦後中央の財政難等の理由もあり、民間立が約8割くらいです。民間立が増え、国公立の設立を超えて戦後日本の医療の拡充に寄与したとされます。加えて国民皆保険等により、私たちは世界でも医療へのアクセスの恩恵を受けられる国になりました。
一方で民間ですから命を守る使命と同時に、効率的な経営も考えなくてはなりません。医療ドラマなどでも例えば小児科などは経営的には採算が悪いなどで、現場と経営陣が対立する場面など極端ですが、そのような課題をはらんでいます。
人間ドックなど稼ぐ部門が稼働できなかったり、来院、入院患者が減ることは飲食や観光と同じく、売上に直結です。一方で、医療の質、コスト、アクセスを考える上で、私たち国民が安易に医療へアクセスし過ぎていなかったかどうかをはかる機会にもなると思います。もちろん、本当に必要な患者さんが受けるべき医療を受けられないということはあってはいけません。
また、他産業と違い、コロナの最前線で奮闘する病院ほど貧乏くじを引くということはあってはなりませんし、私も「病院がつぶれるのを黙って国が見ていることはない」と思います。
ただ、潰れないように病院を支援する国の財源に対して、私たちも日頃の病院とのお付き合いや健康への自立意識を持たなくてはならないと思います。コロナにより、医療に限らず様々な潜在的課題が顕在化し、私たちがその論点をどう捉え、国政を選ぶかが問われていると思います。意義のあるインタビューですね。
首都圏の総合病院が経営難に陥る構造は、コロナ禍の前から指摘されていました。コロナ禍でその弱さが露呈したといえます。プレジデントオンラインで聖路加病院を例にその問題を論じています。2017年の記事です。
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我が国の医療費は厚労省が全国一律に決めている。我が国では、田舎で治療をうけても、東京で治療を受けても、医療費は同じなのだ。勿論、土地代や人件費などのコストは全く違う。医療費を下げ続ければ、首都圏の病院から破綻する。
特に弱いのは総合病院だ。専門病院と比較して、小児科や産科のような患者の少ない診療科を揃えなければならない総合病院は、どうしても赤字体質になってしまう。聖路加国際病院は、その典型例だ。もちろん、氷山の一角である。
名門「聖路加国際病院」が経営危機に陥るわけ 病院は東京から崩壊する:前編 #POL https://president.jp/articles/-/21994
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要は救急救命や小児科、産科など、儲からない診療科をやっている病院ほど、経営難になってしまうのです。そこだけに特化すれば効率化は図れます。産科クリニックなら成り立ちますが、総合病院では難しいのです。
この総合病院の代表格が大学病院で、それが成り立つのは、大量の「無給医」がいるからです。この件については医師の中山祐次郎さんが、NHKの番組の解説記事を書いています。当時かなり盛り上がったのですが、問題は解決していません。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakayamayujiro/20181028-00102034/
日本の医療はどうあるべきか。多くの人に考えてほしいテーマです。新型コロナの患者を受け入れた病院で収入が激減していると耳にしたのは、4月下旬でした。なぜそんなことが起きているのか。減収分を回収できる見込みはあるのかーー。国内で最初期から患者を受け入れている聖路加国際病院の福井次矢院長がインタビューに応じ、このままでは赤字必至という実情を、この間の収入の生データを示しながら説明してくれました。