[ブリュッセル/ロンドン 18日 ロイター] - 1月末に欧州連合(EU)を離脱した英国とEUの新たな通商関係を巡る交渉は、ここ数カ月間ほとんど進展を遂げていない。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて対面での協議ができない状況に、双方は不満を募らせている。

当局者や外交筋は、英国が移行期間の延長を要請する期限である6月末を前に再び緊張が高まると予想している。

EUとの交渉に関与している英政府高官は「ビデオ会議では思うように交渉できない。今後、ある時点で対面で協議できれば、間違いなく有益だ。対面のほうが容易に理解し合える」と語った。

ジョンソン英首相とアイルランドのバラッカー首相が昨年10月、リバプール近郊で散歩をしながら会談した時のように、EU離脱交渉ではこれまでに、非公式の私的な話し合いが事態の打開につながったケースがある。

あるEU外交官は「トップレベルによる物理的な会談で政治的な進展がなければ、交渉は難航する」と述べ、「今後数週間で緊張が高まるだろう」との見方を示した。

英国は6月30日までに協議の進展状況を見極め、今年末以降への移行期間延長を要請するかどうか判断する。ジョンソン首相はこれまでに、延長に否定的な立場を繰り返し表明している。