[ブリュッセル 18日 ロイター] - 新型コロナウイルス感染防止のためのロックダウン(都市封鎖)で一時改善していた中国の大気汚染は、経済活動の再開に伴い再び悪化している。18日に公表された調査結果で明らかになった。

中国では、ロックダウンに伴う工場閉鎖や電力消費の縮小、外出規制による交通機関の利用減少で、一部の大気汚染物質の平均値が今年2月に昨年比大幅に減少した。

一方、ヘルシンキに拠点を置くエネルギー・クリーンエアー研究センター(CREA)が中国国内の1500の観察所データを基に分析したところによると、大気汚染物質は再び増加しており、5月8日までの30日間の二酸化窒素、二酸化硫黄、微粒子物質などの大気汚染物質の値は、前年同期の水準を上回った。

工場が集積している地域では二酸化窒素の排出量が増えた。また大気汚染の主な要因が自動車の排気ガスである都市部でも、大気汚染物質の増加が確認された。

CREAは、感染を警戒して公共交通機関を使わずに自家用車を利用する人が増えていることも大気汚染の悪化につながっていると指摘した。