【決算解説】1.3兆円の営業赤字。孫正義は「失敗」したのか

2020/5/19
もはや意気消沈──。
いつも前向きで、楽天的な孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長が、18日に開かれた通期決算(2020年3月期)ではその疲れを隠しきれなかった。
決算会見のたびに聴衆を魅了する冗舌なプレゼンテーションはなく、ところどころで弱気な言葉も漏れた。
それも、無理もない。
WeWorkなどの投資先企業が苦境に追い込まれ、さらに新型コロナウイルスによる経済危機という追い打ちで、ソフトバンク・ビジョン・ファンドだけで1.9兆円の損失を計上した。
その結果、ソフトバンクグループ全体では、営業損失は1.3兆円、最終赤字9600億円という創業以来最大の赤字に陥った。
果たして孫会長は何を語ったのか、そして以前の説明からどう発言が変遷してきたのか。巨額赤字の構造と共に、解説する。

ビジョンファンドは「マイナス1.9兆円」