スマホの位置情報「危機回避なら問題ない」が半数 コロナ調査
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国民の不安の多くは日本の事業体が過去に行ってきた、そして今も行っている杜撰なデータの取り扱いにあるでしょう
我が国にはまともな情報区分もそれを管理するための基準も事実上存在しません
ISMSがそれにあたるという人がいますが世界のISMS取得社数の約7割が日本企業です
世界基準とは到底言えません
そんな中で罰則規定もかなり緩く、また適応されるか否かの条件も極めて曖昧です
これは最低限の情報セキュリティやプライバシーポリシーの具体的な線引きを行ってこなかったことに大きな間違いがあるといってよいでしょう
このような法整備の中で今の日本の事業者に位置情報なんて与えたら「法律の範囲でギリギリの活用をしよう!」と平気で言い出すに決まっています
とはいえ危機的状況を打破するための打ち手としては有効だと思うので、厳しい事業者の監視を条件にこれらの情報は開放すべきだと思います。
最もLINEの調査自体私は信頼すべきかどうかは懐疑的です
年齢が上がるにつれて問題ないと答えているのはどういった再利用が見込まれるか想像がついていないからでしょう
そもそもある程度の専門知識を必要とする議題を、ITリテラシーに偏りのある一般消費者に聞くという行為自体がナンセンスです
このような問題は各国の法体系や場合によっては諜報機関などによる監視体制、さらには安全保障経済政策に則った国策としてのジャッジが求められますこの調査内容は今日(5月17日放送)のNHKスペシャルでも取り上げられていました。
注目したいのはスマホの位置情報や検索履歴情報などのビッグデータの利活用について「新型コロナの感染拡大防止策など、危機を逃れる目的なら問題ない、という人の割合が男女とも多いこと。さらに10代〜20代よりも40代〜50代など、年齢層が上がるほど「問題ない」と肯定的な答えを行なっている人の割合が増えていることです。
私自身、ITリテラシーの高い若い世代の方がデータの活用についての理解があるのでは(したがって肯定的なのでは)ないかと思い込んでいたところもあったので、この結果にちょっと驚きました。
これについて、この記事でも「一般的に個人情報の活用についてアンケートを行うと、不安を感じるという答えが高く出るが、『感染拡大を防ぐため』といったように目的を限定すれば、多くの人が活用を許容していることが分かる」として専門家のコメントが紹介されていますが、年齢別の受け止め方の違い(年齢が高くなるほど肯定的)に対する答えにはなっていません。
私見ですが、40代・50代という層は10代と比べて、データを提供する側だけでなく、データを活用して政策や企業戦略に関する意思決定に携わることが多い世代だからではないか?という仮説を立てています。
実際に、データを活用して何らかの意思決定をしたり、データを使ってメッセージを発信しようとすれば、個人情報の取り扱い(匿名加工などの手続き)やその保管について、厳密なルールがあり、相当な注意を要することがわかります。その取り扱いのために、今回の緊急事態宣言の中であってもテレワークができずオフィスに出かけざるを得ない人が多数おられます(そしてそれは社会全体としての課題であるとも言われ始めています)。
そういう当事者や、そういうプロセスを身近に見ている世代が社会人としての中堅世代以降と重なることが、この世代が「個人情報の取り扱いについて、根拠のない不安を抱くことが少ない」ことの背後にあるのではないか、というのが私の仮説の背景にある考え方です。
いずれにせよ、これからの「新しい日常」においてはデータやテクノロジーをフルに活用していくこと、「医学xテクノロジー」の視点は不可欠です。情緒に流されず、ロジカルに考えて行動する日本人が既に多いようで勇気づけられました。位置情報の取得は、スマートシティ、ないしは、都市のスマート化において重要なポイントになります。個人情報保護との関係で、導入する側(国・自治体・企業)とされる側(住民)との間の理解が必要です。
日本には既に事例が存在しています。兵庫県加古川市はスマートシティを推進しており、「見守りサービス」をベースとしたスマート化を行っています。住民説明会を行い、多くの住民からの同意を得て利用率も向上しています。
加古川は治安上の課題があり、かつ、日本どこでも同様の高齢化への対応という観点から、見守りサービスによる生活の利便性の向上と、安全安心の確保というニーズに対して、プライバシー侵害にならないような位置情報情報の取得を行い、しっかりとステークホルダーの間で調整を行った結果と考えられます。
https://www.city.kakogawa.lg.jp/kurashi/bosai_bohan/ICT/16517.html
他方、トロントでは、アルファベット(グーグル)子会社サイドウォークラボがスマートシティプロジェクトから撤退を表明し、コロナで経営に見通しが立ちにくいと言われましたが、それ以前から住民との間で個人情報の扱いをめぐる対立がありました。
その根本は、自治体・企業・住民との間の合意が形成されずに、プロジェクトの遅延があったことが影響していると推察しています。本当にサイドウォークラボが個人情報の深いところまでとるとは考えがたいため、信頼醸成が上手くいかなかったと解釈できます。
こうした日本や外国の事例を踏まえると、しっかりと、かつ、誰にでもわかる言葉で、自治体や事業者が説明を行い、信頼関係を構築する必要があります。
コロナで危機対応のため、兎に角導入という傾向もあります。急を要するため、説明は後回しということも理解できますが、もしその方式であれば、あくまで時限的なものに留めることも必要でしょう。
なお、韓国が住民登録番号に基づいた詳細な追跡を行いましたが、これは、1962年の住民登録法に基づいて1968年から実施した制度の名残です。独裁の朴正煕が国民の行動を監視するために導入したもの。民主化後は為政者がやりたい放題は出来ません。現在は、善良な意図に基づいて活用されるという前提の下、国民の利便性も向上しているという状況です。